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一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構

ようちえん絵本大賞

第14回ようちえん絵本大賞 | ようちえん絵本大賞:幼児教育の調査・研究 - 私立幼稚園.com

ようちえん絵本大賞

第14回ようちえん絵本大賞

-新しい絵本をみつけよう-

第14回ようちえん絵本大賞は、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"、"まだ多くには知られていない素晴らしい絵本"を選考の基準として、(一財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・調査広報委員会が過去おおむね8年以内に出版された絵本の中から選考を行いました。その結果、特別賞3作品を含む14冊が絵本大賞に選ばれました。

調査広報委員一同、これからも子どもたちと絵本との出会いの一助となるよう努めてまいります。なお、参考までに調査広報委員会が絵本の紹介文を記載させていただきました。

第14回ようちえん絵本大賞 受賞一覧

絵本名・作者名・出版社名 絵本の紹介
特別賞

(一財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構
理事長賞

しらすどん

最勝寺朋子(作・絵)
岩崎書店

私は釜揚げシラス丼が大好きです。どんなに美味しそうなシラス丼が出てくるのかとページをめくると、6ページから一気に地球規模の展開になります。食物連鎖やSDGsへと話は進み、表紙から受ける印象とは全く別の世界へと導かれます。作者はこの絵本のために実際にシラス漁を体験したり、海に潜ったりしたそうです。しかし、最終的にはとても美味しそうな釜揚げシラスが描かれ、私は大満足でした。

調査広報委員長賞

あみだだだ

谷川俊太郎(文)
元永定正(絵)
中辻󠄀悦子(構成)
福音館書店

「あみだだだ あみだだだ」声に出して読むと「あら、楽しい」。あみだのせんはどこへ行くのでしょう。右に曲がって左に曲がって。わらべ歌のように楽しい言葉が並んでいます。読む人によって遊び方は十人十色。絵本は楽しい、楽しいと実感できる一冊。

こどもがまんなかしんぶん賞

世界はこんなに美しい

アンヌとバイクの20,000キロ
エイミー・ノヴェスキー(文)
ジュリー・モースタッド(絵)
横山和江(訳)
工学図書

いろんな場所に行きたい、世界中を見てみたいという思いで、オートバイにまたがり世界一周を実行した女性の実話です。いろんな国の風景やそこで出会った人々、数々の冒険が描かれ、その颯爽とした姿に憧れとロマンを感じます。「未知の世界を体験することに億劫にならないで!」「いつも好奇心を持っていよう!」と呼びかけてくれているような絵本です。
絵本名・作者名・出版社名 絵本の紹介

戦争が町にやってくる

ロマナ・ロマニーシン、
アンドリー・レシヴ(作)
金原瑞人(訳)
ブロンズ新社

上半分が青、下半分が黄色のウクライナの国旗は青空の下に広がる小麦の大地を表しているとか。しかし、美しい豊かな土地を持つウクライナは未だに戦火にさらされています。ウクライナの作家が描いたこの本は、希望を捨てないでみんなで前を向くことで平和がやってくるメッセージがちりばめられています。

あおのじかん

イザベル・シムレール(文・絵)
石津ちひろ(訳)
岩波書店

「こなゆきいろ」「マシュマロいろ」「おはじきのいろ」等々。青には感性豊かにたくさんの色があります。そんな青の世界に浸れる本。
寝る前にこの本を開くと、「ゆめのいろ」の青の世界が広がりそう。美しい色合いに心が癒されます。

こたつ

麻生知子(作)
福音館書店

畳の部屋がない住宅が増え、こたつのない生活をしている家庭も増えています。この絵本はある家族の大みそかの1日を、こたつを中心に集い、また去っていく人々の姿を通してリアルに淡々と描いています。しかも定点カメラのように天井から俯瞰して眺めるアングルは視覚的にも斬新で、絵を眺めているだけで楽しくなってきます。
こたつが懐かしい昭和レトロ世代にとってはノスタルジックで心に沁みる絵本ですし、こたつを知らない子どもたちの世代にとっては新しい発見があるかもしれません。

ハナはへびがすき

蟹江杏(作)
福音館書店

ハナは爬虫類が大好き。中でもへびが一番好き。お人形もリボンも嫌いじゃないけど、やっぱりハナはへびがすき。でもみんなはあんまり好きじゃないみたい。先生までどこかに捨ててきなさいって言う。そんな時、私もへびが好きと言ってくれる友達が現れて…。みんなと同じじゃなくてもいい、みんな違ってみんないい、ということを教えてくれる絵本です。ダイバーシティ&インクルーシブの視点からも評価できる作品です。

「はやく」と「ゆっくり」

張輝誠(文)
許匡匡(絵)
一青妙(訳)
光村教育図書

パパとママはいつも「はやくはやく」と言う。おじいちゃんとおばあちゃんはいつも「ゆっくりゆっくり」と言う。ぼくは「はやく」と「ゆっくり」に挟まれてどうすればいいんだろう?
これは時間という概念が芽生え始める幼児に、「時間」をどう捉えるかは実は自分の生き方やものの見方、考え方次第でどのようにでも変化するものなんだよ、ということを懇切丁寧に分かり易く教えてくれる、知的で心温まる絵本です。

きみのことがだいすき

いぬいさえこ(作・絵)
PIE International

森にくらしている小さな動物たち。悲しんでいたり、悩んでいる動物たちへやさしい言葉をかけてあげます。心がこもった魔法の言葉は、お互いをhappy に。この本が、子どものこと・家族のことを考えるきっかけになったり、自分にとっての魔法の言葉を探すきっかけになるとうれしいです。
子育てに悩んだり・余裕がない時にこそ、親子で読んでほしい一冊です。

めんぼうズ

かねこまき(作)
アリス館

めんぼうズってもちろん「綿棒たち」です。洗面所や化粧台においてあるあの綿棒たちが主人公です。普段はじーっとしているのに、というか生きているなんて予想だにしていませんでしたが、夜になると次々と飛び出していくのです。めんぼうズたちの軽やかで自由な動きにワクワクします。ファンタジーです。なんてシュールなんでしょう。そして美しいのです。

みつ

timatima(作・絵)
金の星社

コロナ禍という時宜を得た作品。みつ状態が問題のない時は、みんなで楽しそうに「みつ」になっていたが、咳をしている一匹のコロナ感染者が出てしまうと感染が広がり、いっぺんにざわついてしまい回りから仲間が消えてしまいました。しかし、正しい対処をすることによって、また、賑わいが戻るが、感染対策はしっかり守ろうという物語です。

カピバラがやってきた

アルフレド・ソデルギット(作)
あみのまきこ(訳)
岩崎書店

平和に暮らしていたニワトリ小屋にカピバラがやって来ました。初めは追い返そうとしましたが、帰ると猟師に撃たれてしまうので帰ることは出来ません。そこでニワトリは4つの約束をします。カピバラは約束を守り、次第にニワトリと共に生活するようになります。
もしかすると、猟師は戦争を、カピバラは難民の表しているのかもしれません。日本は難民の認定率が低い国。ニワトリになれるでしょうか。

なぞなぞのみせ

石津ちひろ(なぞなぞ)
なかざわくみこ(絵)
偕成社

絵本の中には専門店が立ち並ぶ商店街がいっぱい!最近はスーパーやネットで物を買うのが主流となっていますが、専門店でじっくりお買物するのも楽しいですね。なぞなぞを通じて店内をくまなく見渡し、お買物気分にもなれると共にじっくり観察する力も養えそうです。親子でなぞなぞにチャレンジして下さい!子ども達の方が早くこたえられるかも!!

ねこがさかなをすきになったわけ

ひだのかな代(作)
みらいパブリッシング

この本の表紙を見た時、「なんでだろう!?」というわくわくした気持ちが湧き上がりました。猫は魚が好き。なんとなくイメージはあるものの、理由を深く考えることはありませんよね。猫と魚が互いを思いやる気持ちや行動から、少しずつ好きな理由が分かってくるとお話の中に出てくる歌をきっと一緒に歌いたくなりますよ。相手の喜びが自分の喜びになる。そんな素敵な気持ちを持ち続けたくなる絵本です。