ようちえん絵本大賞

第7回ようちえん絵本大賞

-新しい絵本をみつけよう-

第7回ようちえん絵本大賞は、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"を選考の基準として、(公財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・調査広報委員会が最近出版された絵本の中から選考を行いました。その結果、特別賞3作品を含む14冊の絵本が絵本大賞に選ばれました。
調査広報委員一同、これからもたくさんの絵本との出会いの一助となるよう努めてまいります。なお、参考までに調査広報委員会が絵本の紹介文を記載させていただきました。

第7回ようちえん絵本大賞 受賞一覧

絵本名・作者名・出版社名 絵本の紹介
特別賞 (公財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構理事長賞
アンドルーのひみつきち
ドリス・バーン(文・絵)
千葉茂樹(訳)
岩波書店
ものづくりが大好きなアンドルーは、キッチンに工夫を凝らしたヘリコプターを作りました。それなのにお母さんは、「じゃまだから、どかしてちょうだい」。リビングルームにワシの檻を作ると、お父さんは「檻を持って出て行きなさい」。メリーゴーラウンドを作っても、ロープウェイを作っても…みんなに邪魔にされます。そこでアンドルーはついに心を決めます。「自分だけの秘密基地を作るぞ!」さあ、どんな秘密基地ができるのでしょうか?
調査広報委員長賞
ライオンをかくすには
ヘレン・スティーヴンズ(作)
さくまゆみこ(訳)
ブロンズ新社
ある暑い日、ライオンが帽子を買うために街にやってきました。すると、街の人たちは大騒ぎ!慌てたライオンは、小さな女の子アイリスのおままごとの小屋に逃げ込みます。そこから、アイリスはライオンの隠れ場所探しを始めます。バスタブ、ベッド…色々なところに隠します。アイリスはこのままライオンを隠しておけるのでしょうか。続編の「おばあちゃんからライオンをかくすには」も楽しいですよ。
こどもがまんなかPROJECT賞
おかあさん だいすきだよ
みやにしたつや(作・絵)
金の星社
おかあさんはこどもについつい「ああしなさい!」「こうしなさい!」「早くしなさい…!」と口を出してしまいます。でも、一日の終わりには、こどもの天使のような寝顔を見て反省する毎日。この本は、子どもにかける言葉は前向きに!ポジティブに!子どものエネルギーになるように!かけていきたいものだと気づかせてくれる、まさに「子育て」は「親育て」そのものだと思える感動の一冊です!
絵本名・作者名・出版社名 絵本の紹介
おかあしゃん。はぁい。
くすのきしげのり(作)
岡田千晶(絵)
佼成出版社
「おかあしゃん」、「はぁい」。書かれている文はたったそれだけ。けれどもそれは、深い愛情と確かな絆で結ばれた幸せなやりとりです。日常の中で繰り返される母と子の笑顔の瞬間が、温かな絵とともに描かれています。世界中すべての親子が、この幸せな時間を過ごせますように…との作者の願いが込められています。
ふまんがあります
ヨシタケシンスケ(作・絵)
PHP研究所
わたしは今怒っています。だって大人はいろいろズルい。ちゃんと文句を言ってズルいのをやめてもらおう。そんな思いの女の子が、お父さんにいろいろ不満をぶつけます。お父さんの奇想天外でユニーク極まりない言い訳に、ただただ感心するばかり。「りんごかもしれない」「ぼくのニセモノをつくるには」で、ようちえん絵本大賞常連のヨシタケケンスケさんに、今回も脱帽です。女の子は最後の最後に反撃し、お父さんを黙らせます。
ほうれんそうは ないています
鎌田實(作)
長谷川義史(絵)
ポプラ社
「あのひ、みえないナニカがぼくらのうえにふってきた」。福島の原発事故の有様が、食べられない農産物や魚に思いを寄せて描かれています。おいしく食べてもらおうと丹精込めて作ったほうれんそうや米が食べられない。大切に育てた牛の乳が飲めない、釣ったかれいが食べられない。くやしい、くやしい。医師である作者のメッセージが強烈な色合いと共に伝わってきます。あの大きな事故を語り継ぐため描かれた一冊。
びっくりゆうえんち
川北亮司(作)
コマヤスカン(絵)
教育画劇
びっくりゆうえんちには楽しい乗り物がたくさんあります。なかでも人気なのは、ジェット・コースター。これに乗れば誰でも奇想天外な冒険の旅に出られるのです。こんなジェット・コースターが本当にあったらどんなに楽しいことでしょう。実際にはあり得ない乗り物でも、絵本を開けば何度でも私たちを不思議の世界へと連れて行ってくれる。これこそが物語や絵本の素晴らしさであり、醍醐味であります。さあ、あなたもびっくりゆうえんちのジェット・コースターに乗って冒険旅行に出かけてみてはいかがですか?きっと虜になることでしょう!
ゆきのひのいえで
まるやまあやこ(作・絵)
学研教育出版
妹の世話で忙しいお母さん。何かあるといつも叱られるのはまなちゃんばかりです。理不尽な怒りとさみしさで、降りだした雪の中、まなちゃんは家出をします。誰でも一度は経験したことのある、切なく、悲しく、少し大人になったような旅立ちの決意です。でもお母さんはそんなまなちゃんの気持ちをよくわかっていました。最後に降りしきる雪の中で、ふたりは堅く、堅く互いを抱きしめ合います。真っ白な初雪がふたりの深い愛と思いやりの気持ちを鮮明に浮き立たせています。
12にんのいちにち
杉田比呂美(作)
あすなろ書房
あさ6時、これから起きるひと、ねむるひと。1日のすごしかたは、ひとそれぞれ。きょうは、どんな1日になるのかな?ささいなできごとから大じけんまで!何が起きているのか、みつけながら、町を1周してみましょう。この絵本には、人物の紹介以外、文字はほとんどありません。12人(10人と1匹と銅像1つ)の1日を、時間の経過とともに追っていきます。2時間ごとの暮らしぶりから12人の声が聞こえてきます。
きょうのおやつは かがみのえほん
わたなべちなつ(作)
福音館書店
鏡にうつして絵が完成するというおもしろい絵本で去年出版され、子どもたちに大人気となりました。子どもたちが一生懸命本をのぞきこみワクワクする様子が目に浮かびます。低年齢の子どもたちも楽しめます。ゲーム等の機械があふれる中、素朴な"不思議"を子どもたちに感じてもらえればと思います。
しーっ!ひみつのさくせん!
クリス・ホートン(作)
木坂涼(訳)
BL出版
ブルーの濃淡を基調とした画面に、鳥の赤が鮮やかに印象付けられます。「青」の色遣いが美しく深みがあり、デフォルメされた人物や木々が単純明快でありながら、その心情や場の雰囲気が的確に伝わってきます。ちょっとおとぼけでユーモラスな4人組が、静寂な森の中で繰り広げる1羽の鳥の捕獲作戦。その中の小さな男の子に、子どもたちは自分を重ねてお話の世界を楽しむことでしょう。
自然のとびら
ケイ・マグワイア(作)
ダニエル・クロル(絵)
さいとうみわ(訳)
アノニマ・スタジオ
「松岡正剛の書棚」という催しの中でこの絵本をみつけました。今まで見たことのないような自然の世界へのお誘いの本です。絵本の中のデザイン、色がとても素晴らしいです!
にちようびの森
はたこうしろう(作)
ハッピーオウル社
みんなと遊ぶと何でもどこでも楽しかった。今日はどこで遊ぼうか。絵本をめくると、子どものころのそんな思いが蘇ってきます。ところが、みんなで遊んでいた川が工事中で遊べなくなり、次に遊び場になった小川はふたがされ、次なる遊び場になった田んぼには家が建ち、と次々と遊び場を求めて点々とする子どもたち。子どもたちの遊び場の現状も反映されていますが、やっぱり子どもたちは外が、自然が大好きというラストでほっとします。
わたしの「やめて」
自由と平和のための京大有志の会(文)
塚本やすし(絵)
朝日新聞出版
平和を祈求する心を子どもたちに育てたいと願っている親たち、幼稚園に本書をお薦めしたい。本書は、かつて自由と平和を願うあるグループが発表した「声明書」(こども語訳)に、絵本作家の塚本やすし氏がユニークな絵を添え絵本化したものです。戦争は不可避なのか。戦争はどのように始まるのか。戦争に対して私たちにできることは何か。本書は「なぜ、戦争をしてはいけないの?」という問いにはっきり答える本です。