ようちえん絵本大賞
第4回ようちえん絵本大賞
－新しい絵本をみつけよう－
第4回ようちえん絵本大賞は、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"を選考の基準として、公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・調査広報委員会が最近出版された絵本の中から選考を行ないました。その結果、特別賞3作品を含む15冊の絵本が第4回ようちえん絵本大賞に選ばれました。各委員が選考のために持ち寄った絵本は、それぞれの幼稚園で子どもたちに人気のあるもの、感動を与えたものばかりです。その中から選ばれた15冊ですから、必ずお気に入りの絵本に出会うことができると思います。調査広報委員一同、これからもたくさんの新しい絵本との出会いの一助となるよう努めてまいります。なお、参考までに調査広報委員会が絵本の紹介文とお勧めしたい年齢を記載させていただきました。
第4回ようちえん絵本大賞 受賞一覧
| 絵本の名前、作者名、出版社名 | 絵本の紹介 | |
|---|---|---|
| 特別賞 | 公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構理事長賞 おへそのあな 長谷川 義史 作 BL出版 （年少～年長） |
「もうすぐだね」「あっ、動いたよ」「元気に生まれておいで」と、みんなでママのお腹を取り囲んでいるけど、「お腹の中からは？」って考えたこともありませんネ。「おへそのあなから、みえる」って、これは実にタノシイ。おへそのあなから見えるものは、迎えてくれる家族たち。みんな生まれてくるのを待っている。一つのいのちを真ん中において、繰り広げられる光景のあったかさもウレシイ。匂いも音も取り囲みます。だから、お腹の中で言いますヨ「あしたうまれていくからね！」。これステキです。 |
| 特別賞 | 調査広報委員長賞 あかにんじゃ 穂村 弘 作 木内 達朗 絵 岩崎書店 （年中～年長） |
おりがみの手裏剣が大好きな子どもたちにとって、忍者は永遠のヒーローです。その忍者が真っ赤だったら…？ひみつの巻物をねらってお城に忍びこんだものの、その姿はあまりにも目立ちすぎ。ドロンドロンと変身しても、いつも赤いままでは、一難去ってまた一難。いつの間にか時間と空間を越えて、現代にやってきてしまいます。広げたページいっぱいの色彩がとっても鮮やかです。最後のページは、いつまでも記憶に残るでしょう！ |
| 特別賞 | こどもがまんなかPROJECT賞 新幹線のたび－はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断 コマヤスカン 作・絵 講談社 （年長） |
いま、新幹線が青森から鹿児島まで一本の線路で繋がったことをどれくらいの人が知っているだろう？この絵本は青森から新幹線に乗って鹿児島まで出かける親子の話です。鳥のように空から俯瞰するようにして、読み手の私たちもまた新幹線と共に旅をする。こんな絵本が今まであっただろうか？なるほど、日本という国は上空から見るとこんな風になっているのかと、これまで私の頭の中にはなかった新たな視点も与えられ、夢中になって何度も読み返しました。まだ夜も明けきらないホームに姿を現した新幹線「はやぶさ」。さあ、はるかとお父さんの旅がはじまります。 |
| おおきくなるっていうことは 中川 ひろたか 文 村上 康成 絵 童心社 （年中～年長） |
この絵本は、「大きくなりたい！」という子どもの思いに寄り添い、応援してくれるような絵本だと思います。心と体の成長が、シンプルな絵と言葉でとてもわかりやすく描かれており、子ども自身が自分の成長に気付いたり、自分も「やってみたい！」「できるようになりたいなぁ」と思える場面がたくさんあります。親子で成長を喜びあいながら、何度でも読み返したくなる素敵な絵本です。 | |
| まじょのほうき さとう めぐみ 文・絵 ハッピーオウル社 （年中） |
この絵本は、ある日突然、魔女が空から落ちてくるお話しです。そして、ほうきが壊れて戻れなくなってしまいました。魔女がほうきを直そうと、ちょっとその場を離れたすきにトラがやってきて、壊れたほうきを頭につけるとまるでライオンみたいになりました。それからロバはシマウマに、ヤマアラシはウサギに変身するというお話しです。子どもたちは変身することが大好きです。子どもたちの変身願望をくすぐる一冊です。 | |
| しろくまのパンツ ツペラツペラ 文 ブロンズ新社 （年少～年中） |
パンツをなくした白クマさん。困っていると心配したネズミさんが一緒にパンツを探しに行ってくれます。しましまのパンツ、花柄のパンツ、へんてこりんなパンツなどなど、仕掛け絵本の本領発揮！子どもたちは大喜びで、ページが進んでいくのを楽しみます。そして、物語のラストにはアッと驚く結末が！最後まで読んだらもう一度いちばん最初のページに戻ってみてください。もう一つの発見があるかも。お楽しみに！ | |
| おいしいおと 三宮 麻由子 文 ふくしま あきえ 絵 福音館書店 （年少～年中） |
「おいしい」の一つひとつに音があるなんて、考えたことありましたか？「おいしさ」を「おと」で読んでみようって発想がいいですね。一食分の献立をなぞって、一つひとつの食材の「おと」をつづっています。いろんな音の楽しさと、「あぁ おいしい」で次のページに進むリズムも気持ちいいです。箸や手が描かれているのもいいなあ。「食べる」ことのリアリティが伝わり、だから「おいしいおと」が響くのです。さて、みんなの好きなもの何かな？どんな音がするでしょうか？ | |
| ふゆじたくのおみせ ふくざわ ゆみこ 作 福音館書店 （年少～年長） |
森のクマさんとヤマネさんのほんわりとあたたかくなるお話しです。いちばんのおすすめは絵がキレイ！秋の終わりの森の様子が細やかに描かれており、絵本の前から森にワープしたような気持ちになります。森の動物たちの通貨は子どもたちの大好きなドングリ！1個のドングリをめぐってクマさんとヤマネさんの心が通います。 | |
| つんつくせんせいと いたずらぶんぶん たかどの ほうこ 作・絵 フレーベル館 （年長） |
ある日、つんつく園の子どもたちと先生とが物置小屋の片づけをしていましたら、古い壺が見つかりました。中は空っぽ。それを先生がのぞきこんだとたん、先生の喉に異変が起こりました。言うべきことが言えず、とんでもない言葉を発するようになってしまいました。さあ大変！でも大丈夫。注意書が見つかりましたので。 | |
| うどんのうーやん 岡田 よしたか 作 ブロンズ新社 （年中～年長） |
第3回ようちえん絵本大賞で紹介した「ちくわのわーさん」に続く第2弾。今度はうどんが大活躍します。人手が足りないうどん屋さん。うどんのうーやんは自分で出前に出かけます。出前の途中で困っている仲間（？）を助けながら、何度も訪れるピンチを乗り越えます。最大のピンチは七味唐辛子に助けられ、ようやく出前先に到着します。めでたし、めでたし。ところで、うーやんは何うどんだったのでしょうか？ | |
| ぞうくんのあめふりさんぽ なかの ひろたか 作・絵 福音館書店 （年少～年中） |
ご存じ「ぞうくんのさんぽ」の続編かな。でも場面設定は全く逆で、「きょうはいいてんき」が「きょうはあめふり」です。さんぽに行く先は池の中。泳げないゾウくんをカバくんが乗せ、ワニくんが乗せ、カメくんがみんなを乗せます。最後は転んでみんな池の中。「あれっ ぞうくんがおよいだ」とストーリーは大団円。「みんなごきげん」でめでたしメデタシ。「ぞうくんのさんぽ」とセットで読むことをお勧めします。「ぞうくんのおおかぜさんぽ」も加えると、さらに面白いですよ！ | |
| 新世界へ あべ 弘士 作 偕成社 （年中～年長） |
絵本は絵である。優れた絵本は絵を見ているだけで、そのストーリーを想像することができます。優れた絵本の絵には、言葉よりもっと雄弁に、物語を物語る力があります。荒々しい北極海を渡るカオジロガンの親子。その彼らの目を通して、雄大で厳しい自然の息づかいが、大胆にして精緻、単純にして力強い線と色彩で描かれた、あべ弘士さんの最新作。さあ、渡り鳥たちと共に飛び立とう、新しい世界へ！ | |
| 小学館の図鑑NEO＋くらべる図鑑 小学館 （年中～年長） |
「知識」は「実感」することで、より身につきます。図鑑により「知識」を仕入れ、身近なものと「くらべる」ことで「実感」をプラスするこの図鑑は、新しい発見に何度も出会え、子どもたちのワクワク感を絶対に裏切りません。「何が好き？」と子どもたちに質問すると「ぞうのおしりー」とか、「プールでの魚の競争！」だったりと、自分では思いつかない「視点」や「観点」がこの本の最大の魅力となっているようです。 | |
| ねこガム きむら よしお 作 福音館書店 （年少） |
ある男の子が、ガムを噛んでいます。大きく膨らんだガムはやがてネコの顔になります。何と今度は、男の子がガムのはずのそのネコに吸い込まれてしまいます。そして今度は、男の子とネコがガムの吹きあいになり、結局、両方とも「パァーン」と破れてしまいます。男の子はどうなってしまうのでしょうか。最後のページには…。空想と現実の世界を見事に行き来させてくれる作品です。 | |
| なるほど忍者大図鑑 ヒサクニヒコ 絵・文 国土社 （年中～年長） |
忍者って？？きっと吸いこまれるように子どもたちの興味関心がわきあがってくるでしょう。忍者の生活・武器・術・衣装、なんでも詳しく載っています。子どもたちの園生活にも折り紙で手裏剣を折ったりする機会があります。「むかしに忍者っていたんだよ」という話から忍者の世界が広がった時にぜひ開いてみてください、きっと大人も興味津々間違いなし！ |
