ようちえん絵本大賞

第5回ようちえん絵本大賞

-新しい絵本をみつけよう-

第5回ようちえん絵本大賞は、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"を選考の基準として、(公財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・調査広報委員会が最近出版された絵本の中から選考を行ないました。その結果、特別賞3作品を含む15冊の絵本が第5回ようちえん絵本大賞に選ばれました。
また、今回のようちえん絵本大賞では、「子どもたちに読み聞かせたい日本のむかしばなし」と題し、14冊の絵本を選びました。あわせてご紹介したいと思います。
調査広報委員一同、これからもたくさんの絵本との出会いの一助となるよう努めてまいります。なお、参考までに調査広報委員会が絵本の紹介文とお勧めしたい年齢を記載させていただきました。

第5回ようちえん絵本大賞 受賞一覧

  絵本の名前、作者名、出版社名 絵本の紹介
特別賞 公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構理事長賞
いのちの木
ブリッタ・テッケントラップ 作・絵
森山 京 訳
ポプラ社
(年長)
1匹のキツネが登場します。でもこのキツネは年をとって体も弱り、ある日森の中のお気に入りの場所に横たわり目を閉じるのです。「キツネのめは、にどとひらきませんでした」が、最初のページのことばです。でもこのキツネの死は、終わりではなく「始まり」でした。やがてキツネの死んだ場所にオレンジ色の木が芽生え、森の仲間たちがキツネと過ごした日々を思いめぐらすたびに、ぐんぐんと伸びて大きな木に成長し、みんなが過ごす場所となるのです。エンディングは「キツネは、みんなのこころのなかに、いまもいきつづけています」。ぜひ親子で読んでいただきたい本です。
特別賞 調査広報委員長賞
ゆきのうえ ゆきのした
ケイト・メスナー 文
クリストファー・サイラス・ニール 絵
小梨 直 訳
福音館書店
(年中・年長)
この絵本は幼な子たちに、彼らが生い育っている生活世界以外の未知の世界があることを気づかせてくれるものです。その世界は、科学者が「積雪下空間」と呼んでいる雪と地面との間のほんのわずかの隙間の世界です。そこにはリスやうさぎ、ネズミ、うしがえる、その他さまざまな生きものがそこにひそんでいて寒さやさまざまな危険から身を守っているのです。こんな所にも生きものが!という感動の絵本です。
特別賞 こどもがまんなかPROJECT賞
パンダ銭湯
tupera tupera
絵本館
(全学年)
パンダの親子3人がパンダ専用の銭湯に行くお話。“専用”なのでもちろん中の様子は「秘」。読みかえすたびに絵の中の秘密に一つひとつ気づいていく、作者の発想が大変おもしろく、大人も子どもも『注意力』が鍛えられる(?)かもしれない一冊です。
  ぞうはどこへいった?
五味 太郎
偕成社
(年中)
五味太郎さんの最新作。鮮やかな色合いに、まず引き込まれます。ページをめくっていくうちに、何だか話はふしぎな展開に…。五味さんの頭の中って、一体どんな構造になっているのでしょうか?頭の中が固まってしまっている大人には、なかなかついていけないシュールなお話。でも、子ども達には大受け間違いなし。さらに最最新作として『ぞうはどこへもいかない』があります。一緒に見ると、頭の中の大掃除ができるかも…。
  おばけなんてないさ
せな けいこ
ポプラ社
(全学年)
せなけいこさんのおばけの絵本。たくさんありますが、この絵本はみんながよく知っている歌「おばけなんてないさ」の詞を、せなさん独特の貼り絵でビジュアル化したもの。「おばけ」は怖いもの。どんなに強がりをいう子ども達も、おばけには二の足を踏みます。「だけどちょっと、だけどちょっと、ぼくだってこわいな」は本音かもしれません。でも、せなさんのおばけは何だか楽しそうなおばけ。すぐにお友達になれそうです。
  しろもくろも、みんなおいで
あべ 弘士
堂心社
(年長)
白と黒をテーマにした大変美しくやさしい絵本です。絵本というときれいな色で書かれているものに最初は目につくと思いますが、白と黒を基調にしたこの絵本はとても新鮮に映ります。出てくる動物たちにもそれぞれ名前が書いてあったり、ことばが楽しく子どもたちも興味を引くと思います。この地球に白い色や黒い色、また白と黒が混ざったもの、夏と冬に毛色が変わる生きものがいることに気づかされる絵本です。
  ひみつのカレーライス
井上 荒野・作
田中 清代・絵
アリス館
(年中・年長)
カレーライスの種から芽が出て木になり、花が咲き、実がなる。こんな素敵な木が本当にあったらどんなに楽しいことでしょう? カレーライスは子どもも大人も大好きな食べ物ですから、これは子どもも大人もワクワクする、じつに楽しい物語です。難しいことを考える必要はありません。まずは手に取って読んでみてください。カレーが食べたくて食べたくて仕方がなくなりますよ!
  おかあちゃんがつくったる
長谷川 義史
講談社
(年中・年長)
幼くしてお父さんを亡くしたけれども元気に暮らしている“ぼく(作者自身)”と、ねえちゃんと、明るくて優しくて強い“おかあちゃん”が繰り広げる物語です。ミシンの仕事をしているおかあちゃんは、ぼくの欲しい物を何でも作ってくれますが、次の日、必ず学校で友だちに笑われます。そして、父親参観日に学校へ来た“おかあちゃん”は…。笑わせて、そして、じんとさせて、また笑わせてくれる、長谷川ワールド全開です。
  オオカミがとぶひ
ミロコマチコ
イースト・プレス
(年長)
「きょうは かぜが つよい びゅうびゅう びょうびょう ふきぬける だって オオカミが かけまわっているから」こんな謎めいた言葉から始まる、ある日ある夜の物語。暗闇から現れては消える動物たちと、僕の、不思議な夜更け。何処からが夢でどこまでが本当なのか? 大胆で荒々しい絵と魂の木霊のように削ぎ落とされた言葉が、静かな、しかし力強い祈りのように、やがて体中に満ち満ちてきます。ここではない何処か、今ではないいつか。ミロコマチコさんの不思議な世界へ、さあ旅立ちましょう!
  そんなとき どうする?
セシル・ジョスリン・文
モーリス・センダック・絵
こみや ゆう 訳
岩波書店
(年長)
知恵とユーモアたっぷりの子ども向けのマナー本。「もし、こんな状況になったらこうしよう!」と教えてくれます。思わず笑ってしまう奇想天外なシチュエーションなのに、優雅で礼儀正しい対処法。そのギャップを楽しみ、なるほどね…と納得したり、新鮮な驚きが待っています。「次は何かな?」「どうするのかな?」と想像するだけでワクワクします。ユーモアと礼儀正しさは毎日を心地よく過ごすために欠かせないものだと改めて感じさせてくれる1冊です。
  おかん
文・平田 昌広
絵・平田 景
大日本図書
(全学年)
お母さんの事なんてよぶ?
まま?ははうえ?絵本の中では「おかん!」
おかん、おかんってまいにち、まいにち、うるさいなあ。でも、大好きなおかん、ついてまわっても許してよ。うるさがられても、おかんって呼びたい気持ちわかってほしいな。関西弁の親子の日常から親子の愛情を感じ取れる絵本です。楽しいのが一番、ほのぼのした気持ちがわいて、「まっいいか」って思えるでしょう、親子いっしょに読んでみてください。
  せんろはつづく どこまでつづく
鈴木 まもる 文・絵
金の星社
(年少・年中)
電車博士のお友達 集まれ!
大好評の「せんろはつづく」の第3弾。「~どこまでつづく」では、新幹線・貨物列車・ディーゼル機関車・ブルートレインが登場します。
夜空の絵・夕焼けの景色・小川のせせらぎと動物たち。とってもとってもすてきな絵です。子どもたちの想像力と感性を広げましょう。ぜひお読みください!
  りんごかもしれない
ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社
(年中・年長)
りんご=りんごという、1つの概念に捉われず、様々な考えから想像や妄想を膨らませて、発想・イメージの世界を広げていく男の子の話です。1つの物から発想を広げていければ、さらに世界観も広がり楽しい毎日が過ごせるのでは?この本を読んだ子ども達も、何気ない“物”に対して多面的な見方や様々な発想を楽しめるようになってほしいです!…そして、裏表紙に衝撃の“バナナ”発見!!
  まるまるまるのほん
エルヴェ・テュレ・作
谷川 俊太郎・訳
ポプラ社
(年少・年中)
「きいろと、あかと、あおのまる」だけの絵本です。このまるを、おして、こすると、絵本の「まる」がうごきだすのです。ページをめくるたびに、まるの数が増え種類が増えていきます。「くりっくする」なんてことばも登場し、デジタルの世界で行われていることを絵本の中で表現しようとする試みはとても新鮮です。ついには、絵本をゆすったり、かたむけたり、立てたり、まるをふーっと吹いたりと実にタノシイ!子どもも大人も楽しめる絵本ですが、ぜひひざに乗せて親子でくりっくしましょう。
  もったいないばあさんのいただきます
真珠 まりこ
講談社
(年少・年中)
「いただきます」は日本特有の言葉。「だいじな たべもの たべないなんて もったいない」と何度も言うおばあさんの囁きに嫌いなものを食べることができた女の子。
もったいないばあさんの言葉は「ありがとう」の気持ちを育てます。もちろん最後は「ごちそうさまでした!」

子どもたちに読み聞かせたい日本のむかしばなし

絵本名 作者・出版社名
いっすんぼうし 岩崎書店
広松 由希子(文)、長谷川 義史(絵)
かえるをのんだととさん 福音館書店
日野 十成再話、斎藤 隆夫(絵)
かぐやひめ 小学館
舟崎 克彦(文)、金 斗鉉(絵)
かさじぞう 福音館書店
瀬田 貞二再話、赤羽 末吉(画)
かちかちやま 世界文化社
水谷 章三(文)、村上 勉(絵)
かにむかし 岩波書店
木下 順二(文)、清水 崑(絵)
さるじぞう 金の星社
いもと ようこ 文、絵
だいくとおにろく 福音館書店
松居 直再話、赤羽 末吉(画)
ちからたろう ポプラ社
今江 祥智(文)、田島 征三(絵)
泣いた赤おに 偕成社
浜田 廣介 作
ねずみのよめいり 世界文化社
木暮 正夫(文)、朝倉 めぐみ(絵)
はなさかじいさん あかね書房
山下 明生(文)、おくはら ゆめ(絵)
ふしぎなたいこ フェリシモ出版
新田 新一郎(文)、田島 征三(絵)
ももたろう 福音館書店
松居 直(文)、赤羽 末吉(画)