ようちえん絵本大賞

第3回ようちえん絵本大賞

-新しい絵本をみつけよう-

第3回ようちえん絵本大賞は、「新しい絵本をみつけよう」をテーマに、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"を選考の基準として、公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・調査広報委員会が最近出版された絵本の中から選考を行ないました。その結果、特別賞3作品を含む16冊の絵本が第3回ようちえん絵本大賞に選ばれました。新しい絵本は書店等に置いていないこともあり、なかなか手にする機会が少ないかもしれません。第3回ようちえん絵本大賞が子どもたちの新しい絵本との出会いの一助となることを願います。なお、参考までに調査広報委員会が絵本の紹介文と特にお勧めしたい学年を記載させていただきました。

  絵本の名前、作者名、出版社名 絵本の紹介
特別賞 公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構理事長賞
ちょっとだけ
瀧村 有子 作
鈴木 永子 絵
福音館書店
(年長)
『なっちゃんのおうちに あかちゃんがやってきました』お姉さんになったからと頑張るなっちゃんですが、眠くなった時だけはどうしてもおかあさんに甘えたくなります。「ちょっとだけでいいからだっこして」とお願いしてみると…。絵がほのぼのとしてホッとする、やさしい気持ちにさせてくれる絵本です。お母さんがなっちゃんをいっぱいだっこしてくれるところで涙がでてきました。
特別賞 こどもがまんなかPROJECT賞
ふくびき
くすのき しげのり 作
狩野 富貴子 絵
小学館
(年中~年長)
「おかあさんは、どうしてサンタさんにプレゼントをおねがいせえへんの?」いつも自分のことは後回しにするお母さんに、80円でバッグをプレゼントしようと商店街に出掛けるところから、物語はスタート。商店街の優しい大人たちに助けられるも、姉は正直であろうとしたため、バッグを手放すことに…。お母さんは、優しく、正直な心を持って成長したわが子が最高のプレゼントだと感じます。思わず涙が溢れます。
特別賞 調査広報委員長賞
いもほりバス
藤本ともひこ 作・絵
鈴木出版
(年少)
冒頭の「おはようございバス」を読んだ途端に、心は「いもほりバス」に乗車。ねずみさんたちの楽しい「いもほり遠足」のお話かと思いきや、バスをくすぐるあたりから、想像を絶する、壮大なスケールの物語になっていきます。おいもの大きさ、火山でのやきいもなど、胸のすく思いであっという間にページが進んで行きます。こんな「いもほり遠足」に行きたいな!
  せんろはつづく
竹下 文子 文
鈴木 まもる 絵
金の星社
(年少)
れっしゃが大好きなおともだちあつまれ!“せんろはつづく、やまがあったらどうする?かわがあったらどうする?おおきないけがあったらどうする?さあみんなならどうする?”リズミカルでテンポのよい文と、可愛らしい絵、1ページ1ページめくるごとに想像力がふくらむ魅力の絵本です。何回も何回も読みたくなる読み聞かせに最適の絵本です。
  いいからいいから
長谷川 義史 作
絵本館
(年少~年中)
ある日の夕方、かみなりがゴロゴロ鳴って、気が付くと目の前に、かみなりの親子が座っていた。「いいから いいから。せっかく来て下さったんじゃ。ゆっくりしてください。」心からもてなすおじいちゃん。結局へそを盗られてしまいますが、それでも「いいから いいから」。おじいさんのおおらかさに、肩の力が抜けていきます。読み終えると、自然と笑顔になっている絵本です。
  おっとっと
木坂 涼 文 
高畠 純 絵 
講談社
(年少~年中)
犬のお父さんの一日を追いかけながら、いろいろな動物たちの「おっとっと」でユーモラスな場面が次々と繰りひろげられます。子どもたちから、ぼくの「おっとっと」、わたしの「おっとっと」な経験が聞こえてきそうです。「おっとっと」が心地よくリズミカルに繰り返され、3歳児にぴったりの絵本ではないでしょうか。
  ゆうびんやさんおねがいね
サンドラ ホーニング 文 
バレリー ゴルバチョフ 絵 
なかがわ ちひろ 訳
徳間書店
(年少~年中)
コブタくんがおばあちゃんのお誕生日に贈りたいのはプレゼントでも手紙でもなく「ぎゅっ」。配達にかかわる9匹の動物たちは照れたりびっくりしたり、うれしくなったりしながら、この贈り物を届けることでみんな幸せになっていきます。もちろん読んでいる大人も子どももかわいい絵の表現につつみこまれて…「ぎゅっ!」心と体で感じる幸せ絵本です。
  どんぐりむらのぼうしやさん
なかや みわ 作
学研教育出版
(年中~年長)
子どもにとって“どんぐり”はともだちになれる大事な木の実。この絵本に登場する帽子のついたどんぐりなどを見つけると「ほら見て!」と目を輝かせて伝えにきます。そんな親しみのもてる主人公の魅力と同時に擬音語の“わくわく”がキーワード。わくわくって何だろう…子どもたちは「こういうのっ」て両手をパクパクさせて、ニコニコ体で表現してくれましたよ!
  おこだでませんように
くすのき しげのり 作
石井 聖岳 絵
小学館
(年中~年長)
『私はこの絵本を読み返すたびに涙が溢れて仕方ない』“「おこだでませんように」そう書かれた短冊を見たとき、涙が出そうになり、この男の子はいつも怒られてばかりなのだなあと思いました。”短冊を見たあとの先生のことば、おかあちゃんのだっこ、そしてぼくの笑顔。最高です。大人の私たちが子どもの心の中の祈りのような思いに気づくことができますように。
  ちくわのわーさん
岡田 よしたか 作
ブロンズ新社
(年中~年長)
ん?えへへっわっはっは!ちくわが主人公というだけで、子どもたちは絵本とのユーモラスな出会いを体験。そして読み始めると登場人物!?が関西弁で気持ちを語るリアル感と、絵の表現力のおもしろさが子どもたちの心を笑いとともに楽しませてくれます。幼稚園で読んだ次の日の朝、こんな報告もありました。「せんせーきのうばんごはんにわーさんでてきた!」
  ともだちやもんな、ぼくら
くすのき しげのり 作
福田 岩緒 絵
えほんの杜
(年中~年長)
この絵本のつかみは、今はもうなかなか会えなくなったカミナリじいさんが堂々と登場してコラー!と怒ってくれる迫力です。逃げ遅れてつかまってしまったともだちが心配でならなく、おじいさんにあやまりに行くまでの二人の男の子のきもちが、関西弁で具体的、ストレートに表現されています。大胆な絵に裏打ちされて、仲良し三人組の胸のうちがキュンとひびきますよ。
  もったいないばあさん
真珠 まりこ 絵・作
講談社
(年中~年長)
おさらのうえのたべのこし。もったいないばあさんがやってくるよ。そもそも「もったいない」ってどういう意味なんでしょうか?ものや食べものが豊富にあるこの国では、子どもたちが「もったいない」を実感することは容易ではないかもしれません。この絵本を通して、自然の恵みやものを作ってくれた人に感謝する心が育ち、ものを大切にする気持ちや思いやりの心が育つことを願います。
  石のきもち
村上 康成 作
ひさかたチャイルド
(年長)
『ほら聞こえるよ、森のつぶやきが…』“ぼくは昔からこの森にいる石。イタチ、キツネ、クマ、オオカミ…ずうっと昔には恐竜だっていた。うれしいこと、かなしいこと、毎日いろんなことがあるけど、僕は今日もここにいるよ” キビタキがかわいくて、キツネのお母さんがあたたかく、最後に出てきた「ちょんまげカブト」がおもしろく、そして「もどってくるさ、きっと。ここはみんなのうちだから。」
  いのちのまつり
草場 一壽 作
平安座 資尚 絵
サンマーク出版
(年長)
沖縄では、春になると島独特のお墓に親せき中が集まって、お弁当をひろげ楽しくおしゃべりします。三線に合わせて歌い出す人もいます。そして、ひとり、ふたりと踊り出し、お墓の前は大騒ぎ。その様子を初めて見たコウちゃん。近くにいたオバアに「ご先祖さま」の存在を教えられます。果てしなく続く生命の旅。終わらせてはいけない生命の物語が一人でも多くの人々に伝わることを願っています。
  しつもんおしゃべりさん
さいとう しのぶ 作
リーブル
(年長)
暮らしの中にあっていつもお世話になっているいろいろなもの、例えば“おふろ”“なふだ”“インターホン”…この絵本は大人も子どももよく知っている暮らしの仲間たちが話しかけてくれるのですからうれしくなります。それぞれが自己紹介のあと、必ず最後に質問をくれます。「きみはどうだい?」って。どのページを開いても素敵な会話の入口になる魔法の一冊です。
  としょかんライオン
ミシェル・ヌードセン 作
ケビン・ホークス 絵
福本 友美子 訳
岩崎書店
(年長)
“いつもしずかなとしょかんにライオンがあらわれ、みんな大あわて。でも心やさしいライオンはすぐにみんなとなかよしに。ところがある日…。おおきな声で「うおおおおー」さてそのわけは?”さびしそうなライオンの顔に胸がしめつけられ、うれしそうなライオンの顔に心があたたかくなります。ライオンに寄りかかるみたいにゆったりと本を読んでください。