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一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構

ようちえん絵本大賞

第9回ようちえん絵本大賞 | ようちえん絵本大賞:幼児教育の調査・研究 - 私立幼稚園.com

ようちえん絵本大賞

第9回ようちえん絵本大賞

-新しい絵本をみつけよう-

第9回ようちえん絵本大賞は、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"を選考の基準として、(公財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・調査広報委員会が過去おおむね5年以内に出版された絵本の中から選考を行いました。その結果、特別賞4作品を含む14冊が絵本大賞に選ばれました。
調査広報委員一同、これからも子どもたちと絵本との出会いの一助となるよう努めてまいります。なお、参考までに調査広報委員会が絵本の紹介文を記載させていただきました。

第9回ようちえん絵本大賞 受賞一覧

絵本名・作者名・出版社名 絵本の紹介
特別賞 (公財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構理事長賞
あかいふうせん
山田和明(作・絵)
出版ワークス
シンプルなストーリー、ハッと息をのむハプニング、そして心温まるエンディング。作者の山田和明氏は「ボローニャ国際絵本原画賞」の入選経験もあるイラストレーターです。繊細さ、柔らかさ、優しさ、そして静けさがあふれたこの絵本は7か国語に翻訳され、ドイツでは「青少年のためのベスト7冊」「トロイスドルフ絵本賞」なども受賞しています。子どもだけでなく大人も心癒される絵本です。
調査広報委員長賞
くいしんぼうのクジラ
谷口智則(作)
あかね書房
くいしんぼうのクジラくんは「いただきます」が大好きで、「ごちそうさま」が大嫌いです。海の魚を食べつくし、川の魚も食べつくし、それから魚だけでは飽き足らなくなると、畑の野菜も食べつくし、町中のありとあらゆる食べ物を食べつくします。とにかくごちそうさまを言わずに食べて食べて食べまくる、くいしんぼうのクジラくん。そんな何でもかんでも手当たり次第に食べてしまうクジラくんが、どこか滑稽でおかしくて憎めないのですが、最後にあっと驚くような意外な結末が待っています。果たしてクジラくんの運命やいかに?
調査広報委員長賞
ねぇ、しってる?
かさいしんぺい(作)
いせひでこ(絵)
岩崎書店
お母さん、お父さん、子どもの心の成長を感じるお話で、あたらしい家族が増えたよろこびを思い返してみませんか?
「ねぇ、しってる? ぼく、おにいちゃんになるんだよ」けいたくんのママのおなかには赤ちゃんがいます。けいたくんは、もうすぐお兄ちゃんになるんです。だけどお兄ちゃんって、何だろう? ぬいぐるみのゾウと一緒に、あたらしいいのちとの出会い、とまどい、よろこび、ゆれる子どもの気持ちに寄り添った絵本です。
こどもがまんなかPROJECT賞
やもじろうとはりきち
降矢なな(作)
佼成出版社
ヤモリの やもじろうと ハリネズミの はりきちは、あかちゃんのときから だいのなかよし。なのに、いつからか やもじろうは、はりきちと いっしょだと つまらないと おもいはじめ、そして ついに あっちいけよと いってしまいます。でも、はりきちは……
だれもが思い当たる、ちょっとほろ苦いおはなしです。作者の降矢ななさんの素敵な絵と文のハーモニーが心に響きます。
絵本名・作者名・出版社名 絵本の紹介
おかあさんはね
エイミー・クラウス・ローゼンタール(作)
トム・リヒテンヘルド(絵)
高橋久美子(訳)
マイクロマガジン社
「おかあさんはね ときどき かぜに おねがいするの
きょうも わらって いられますように。……」
子どもに毎日伝えたい言葉の贈り物。この本はお母さんの想い、我が子を想う愛情がいっぱいです。お母さんが願っていることを優しく話しかけています。
読んでいて子どもの健やかな成長を願うステキな言葉の数々に、自分自身が優しく温かい気持ちになります。また、読んでもらった子どもも、きっと優しい気持ちになるだろうなと感じさせられます。絵も優しく可愛く、最後のページ「いつまでも いつまでも」では涙が止まりませんでした。
カレーライス
小西英子(作)
福音館書店
「きょうのごはんはカレーライス」から始まるとても楽しい絵本です。2歳から5歳までの子どもたちはあつあつカレーににっこりほっこり。
トントントンと切るところから始まり、いためて煮込むまでやわらかい絵がみんなをうれしい笑顔にさせてくれます。子どもたちはきっと「おかあさん今日はカレーライスにしようよ。」とリクエストするでしょう。
そして、できあがったおうちのカレーライスをみんなでいただきながら、しあわせな夕ご飯になることでしょう。
やきそばばんばん
はらぺこめがね(作)
あかね書房
ある日、おばあさんが通りで焼きそばを作り始めました。ところが、用事を思い出したおばあさんは何処かへ行ってしまいます。そこへ通りすがりの人々(コック、いたずらっ子、すしやの大将、音楽家、などなど)が次々にやって来て、焼きそばに思い思いの隠し味をこっそり入れて行きます。やがて、おばあさんは用事を片付けて帰って来ますが、さてさて焼きそばは美味しく出来上がるのでしょうか? いたってシンプルな繰り返しのお話の中に、絵本だからこそ表現できる、言葉と絵の劇的な出会いがあります。さあさあ、美味しい「焼きそば絵本」はいかがですか?!
クネクネさんのいちにち
きょうはパーティーのひ

樋勝朋巳(文・絵)
福音館書店
癒し系絵本の傑作、ページが進むごとに肩の力が抜けていくのが分かります。大人は大人なりに、子どもは子どもなりに楽しむことが出来る作品です。今回初めてクネクネさんは〇〇屋さんだったということが分かります。おなじみの仲間たちが総出演。過去の作品を知っている方はもちろん、この絵本を初めて手に取った方もその魅力の虜となること間違いなしです。どうぞ存分に楽しんでください。
バナナじけん
高畠那生(作)
BL出版
バナナをたくさん積んだ車がバナナを落としていきます。そこへさるがやってきてバナナを見つけます。「どうするとおもう?」。次にうさぎがやってきて、そのまた次にワニがやってきて「どうなるとおもう?」。と問いかけながらページが進みます。それが何度も繰り返され、そのたびに子どもたちの想像どおりになる楽しさと安心感があり、高畠那生さんの独特な絵と相まって、何度読んでも飽きのこない子どもたちが大好きな1冊です。
でんしゃがきた
竹下文子(作)
鈴木まもる(絵)
偕成社
日本中たくさんの電車が走っています。田んぼの中を一両だけで走る電車、何両もつながって毎日たくさんの人を運ぶ大都会の電車、今日がラストランの電車、ページをめくるとたくさんの電車が次から次へと登場します。時間が来れば、電車が来る。そんな当たり前のことが、起こらなくなることがあります。しかし私たちは負けません。力を合わせて壊れた線路を急いで直して、電車が来ました。「みんな みんな まっていたんだ。でんしゃが くるのを まっていたんだ。」
パパはわるものチャンピオン
板橋雅弘(作)
吉田尚令(絵)
岩崎書店
パパの仕事は悪者プロレスラー。パパの仕事を受け入れられない主人公の男の子と、そんな仕事に誇りをもって頑張るパパの姿が描かれています。正義の味方を応援する友だちの女の子のとなりでパパを応援したい気持ちと葛藤する主人公。そんな心の描写が少し難しいかも知れませんが、男同士、親子の絆を感じる1冊です。先に出された「パパのしごとはわるものです」と続けて読むと、男の子の気持ちの変化が見られてさらに感動します。
やきざかなの のろい
塚本やすし(作)
ポプラ社
焼き魚が大嫌いなぼくは、ある日、焼き魚に呪いをかけられてしまいますが、その呪いはけっして恐ろしいものではなく、とってもおかしくって思わず笑っちゃうような呪いでした。それから一匹の野良猫と出会うことで、ぼくは焼き魚が大好きになります。こんなにも焼き魚が大好きになるなんて、もしかしたら、これこそが焼き魚の呪いでは? 焼き魚が好きな人も苦手な人も、誰もがみんな楽しめる、これは美味しい楽しい焼き魚ファンタジーです!
きみのいたばしょ
スタジオネーブル(写真)
池田伸(文)
コヨセ・ジュンジ(絵)
NORTH VILLAGE
ページをめくると目に飛び込んでくるお母さんの大きなおなか。言葉を追わなくても一枚の写真から命の尊さが伝わってきます。同時にお母さんの温かい体温まで感じられそうな気もします。「きみは愛されたから、生きている」。何とも素敵な言葉でラストは締めくくられ、目の前にいる子どもたちを抱きしめたくなるような読後感。お母さん方はもちろん、思春期の子どもたちにもぜひ手に取ってほしい一冊。
パンダ おやこたいそう
いりやまさとし(作)
講談社
パンダの親子がタケノコやさくらんぼ、花火などいろいろなものを真似て仲良く変身。最後はだんごむしになってギューッとくっついて終わります。体だけでなく、心まで温かくほっこりする体操です。子どもたちにはお父さん、お母さんといっしょにスキンシップを取りながら読んでいただきたい1冊です。また、保育参観や未就園児の親子登園などの機会に大勢で読めば、いっぺんにほのぼのとした雰囲気に包まれること間違いなしです。