第15回ようちえん絵本大賞

理事長賞
かべのすきま
ある晩、お留守番をする少年の前に壁の隙間から3人のおばちゃんが現れて、こたつでお菓子を食べたり、卵焼きを焼いてくれたりします。打ち解けた少年は、お茶を振舞い・・・。シュールでナンセンス、だけど心温まる孤独な少年とおばちゃんたちの物語です。

調査広報委員長賞
おうちに おばけが すんでいます
大きな古いお屋敷には、おばけが住んでいるらしい。そこに住む女の子はおばけを見たことが無いけれど、隠れているおばけを君は見つけられるかな?お屋敷が実写になっていて「透ける本」として紹介される仕掛け絵本は、本当におばけが出てきそう!

こどもがまんなかしんぶん賞
どんぐり
どんぐりが落ちてから、芽を出し葉を広げるまでを描いた文字のない絵本。モノクロの森と彩色された植物や動物の対比が美しく、ページをめくるごとに自然界の営みが見え、一粒のどんぐりが木に成長することが、奇跡であるように感じられます。

だがし屋のおっちゃんは おばちゃんなのか?
駄菓子屋のおっちゃんは、本当はおばちゃんです。名前はハルコです。これまで絵本では、ほとんど取り上げられなかったLGBTQがテーマ。子どもたちにわかるように描き、心温まるエピソードとして教えてくれる、今の時代に求められる絵本です。

いろって なあに?
プロベンセン夫妻が、娘に色を教えたくて作った絵本。黄色・紫・青・赤・緑・茶・オレンジ、そして白と黒を、身近なモノやコトを引用して教えてくれます。かわいい絵と迫力のある絵のコントラストも素敵で、色があるって幸せ!と感じられる絵本です。

レストラン ふろ
レストランとふろの不思議な組み合わせや表紙の可愛らしい絵に、ページをめくる前からワクワクが止まりません。美味しそうなサンドウィッチが見え隠れする脱衣所をスタートすると、おふろ?ご飯?何をしに来たかわからなくなるほど夢中になれる面白さです。

ここは おうち
谷川俊太郎さんの文にJunaida(ジュナイダ)さんが素敵な絵を重ねています。わたしだけのおうちから女の子が飛び出していろいろと巡り、出会った人や生きもの、景色をつれて帰ります。ページをめくりながら、子どもとどんなお話ができるでしょうか?

うめぼしさん
ホカホカのご飯に梅干し。和食の原点のような献立ですが、お家で梅干しを漬ける家庭は今どれくらいあるでしょうか。梅が梅干しさんになる過程を、昭和の香りがただよう絵とリズミカルな文で紹介した、懐かしくも新しくもある、遠い昔を思い出す絵本です。

ねこまたごよみ
何百年も生きるという猫の妖怪「ねこまた」の家族のお話。2月から始まる「如月ニャレンタインデー・弥生ひにゃまつり・文月たにゃばた・・・」といった猫の季節行事が満載!ねこまたの世界の暦が細かい絵で描かれ、楽しみながらページをめくれます。

ぎょうざが いなくなり さがしています
「餃子がいなくなり探しています」そんなアナウンスに、としおくんはびっくり。想像の世界で巻き起こるストーリーを追いたいという気持ちや、じっくりと絵を楽しみたいという思いにかられるでしょう。親子で一緒に想像し、絵に見入って楽しめる1冊です。

はるのワンピースをつくりに
ウサギのさきちゃんが春の匂い、色、音を考えながら仕立て屋さんに素敵なワンピースを仕立ててもらいます。色とりどりの絵からイマジネーションを広げ、春という季節を五感でイメージする楽しさとなり、きっと子どもたちの感性に響くことでしょう。

ちらかしさんとおかたしさん
帰ってくると、ぼうしやカバン、上着、ネクタイなどポンポン放り出していく「ちらかしさん」と、それを全て片づけていく「おかたしさん」。相性ばっちりで、なんともほっこりする仲良しな二人の様子に、「あら、うちの家と同じ」と思う人も多いのでは?

みんなたいぽ
パンクバンドGEZANのフロントマンと荒井良二氏のコラボレーション絵本。主人公のおまわりさんは、悪いことをする人達を次々と逮捕し、言葉や音、最後には自然を破壊する人間全部を逮捕します。今こそ、世界で起こっていることをしっかりと見ましょう。

だれの せい?
森に住むクマの戦士が剣の切れ味を試すために手当たり次第に木を切ってしまったことで、上流のダムの水があふれ、自分の砦が壊れてしまいます。自分に起こる災いは、自分の行動にも原因があることを知った戦士が、新たな一歩を踏み出す物語です。

Je suis là ここにいるよ
「キミがいない」、大好きなキミがいなくなって悲しみに暮れるボクは、涙がこぼれます。ページをめくるとキミの姿が現れ、いつもそばに居てくれていることに気づきます。愛するものを失くした悲しみにそっと寄り添い、大好きとありがとうが心に溢れる絵本です。