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一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構

幼児教育実践学会

幼児教育実践学会

第15回幼児教育実践学会 ポスター発表 企画趣旨概要一覧

2024年8月24日(土)13:00~15:30

①大分県:手嶋一紗(認定こども園ひまわり幼稚園教諭)、佐藤百華(認定こども園ひまわり幼稚園教諭)、野村綾華(認定こども園ひまわり幼稚園教諭)、渡邉はるか(別府大学短期大学部専任講師)
テーマ:生き物との関わりから見る愛着とは
本園の子どもの姿として、生き物への関心は高いものの興味が持続しないという姿があった。その要因の一つとして、生き物への関わり方や興味・関心、愛着を育むための環境構成の在り方に課題があると考えた。本実践は、小さな生き物と触れ合う場面における子どもの姿や呟きの見取り方、教師の関わりや環境構成、園庭の環境の生かし方を工夫することで、小さな生き物への愛着のもち方が変容していく姿を記録したものである。
②熊本県:宇梶達也(荒尾第一幼稚園園長)、増永彩希(荒尾第一幼稚園教諭)、上野汀紗(荒尾第一幼稚園教諭)、松川夏海(荒尾第一幼稚園教諭)
テーマ:環境の再構成について
子ども達との生活の中で、保育者は「今、どのような環境が必要か」を考えて環境を構成するが当初の環境で済むことはない。素材・遊具の置き方、保育室の配置、関わり方等、環境の再構成が必要になっている。子どもたちが環境に関わり自分たちの思いを実現させようとする、その保育の展開に必要な保育者の環境の再構成について考えたい。また、子どもたち自身が、環境を再構成していく状況を生み出すには何が必要か考えていきたい。
③徳島県:松本明日香(わかくさ幼稚園教諭)、南岡愛(わかくさ幼稚園教諭)、山下幸代(わかくさ幼稚園教諭)、岡本和貴(わかくさ幼稚園園長)
テーマ:みつけた!なに?いいこと考えた!ほれ、いいでえ!!
「ダンゴムシのお家作ろう」大きな容器に遊園地を作っていると、「見て、カタツムリ飼おう」と他にも次々と虫を捕まえる子どもたち。計画ではダンゴムシのお家だったけど・・・全部飼ってみよう。日々、子どものひらめき「いいこと考えた!」を受け止め、保育者や友だちと「いいね!」と認め合える保育を目指し取り組んでいる。生き物への興味や愛着を大切にし、予想外の出来事の中で共に試行錯誤し、明日へ繋がる実践の記録。
④広島県:伊東広大(かえで幼稚園教諭)、中丸元良(かえで幼稚園理事長)、中丸創(かえで幼稚園園長)、久田見暁(かえで幼稚園副園長)、石本純子(かえで幼稚園主幹教諭)
テーマ:あつまれ かえでの森
当園には園庭に隣接した〈小さい森〉と、その奥の〈大きい森〉がある。これまでも、二つの森で保育を行ってきたが、森での遊びをさらに充実させることはできないかと考えた。そこで、まず、あまり行けていない〈大きい森〉から森での遊びの充実を図った。しかし、実際の保育では、様々な要因から継続的な取り組みとすることが難しかった。そのため、日常の場である〈小さい森〉から遊びを充実させていこうとする「あつまれかえでの森」プロジェクトが誕生した。
⑤大阪府:伊藤奈央(幼稚園型認定こども園高槻双葉幼稚園主幹教諭)、中島円(幼稚園型認定こども園高槻双葉幼稚園教諭)、瀧川美優(幼稚園型認定こども園高槻双葉幼稚園教諭)、徳留涼花(幼稚園型認定こども園高槻双葉幼稚園教諭)
テーマ:行事前の保育の記録・発信を通していかに保護者と育ちを共有できるか考える
当園では例年2月に「成長展」と名付け、1年間のクラスでの遊びや活動での育ちを家庭と共有すること、子どもが行事当日に、自ら表現し作ったものについて保護者と話す中で、思いを共有することをねらいとする行事を行っている。行事当日までの子どもの姿を保育者が見取り、取り組みの過程を伝えること、過程と行事当日の姿がいかにつながることで、園と保護者が子どもの育ちを共有できるのか、取り組んできたことを発表する。
⑥大阪府:多田智尋(あけぼのほりえこども園学年主任)、大久保司(あけぼのほりえこども園保育教諭)、西村夏帆(あけぼのほりえこども園保育教諭)、三谷思織(あけぼのほりえこども園保育教諭)、中尾絵里(あけぼのほりえこども園乳児主任)
テーマ:ちょっとまった!それって安全??~全国唯一の私立乳幼児施設SPS(Safety Promotion Shool)認証園の工夫~
当園は、防火・防災・防犯・交通を4つの柱とした綿密な安全計画を立て、計画に基づいた実践を行う私立乳幼児施設で全国唯一のSPS認証園である。津波被害エリアであり、更に都会の真ん中に位置する当園では、特に防災・防犯面に重点を置き、防災面では大津波に備えた二次避難や保護者引き渡し訓練などを実施している。また、防犯面では公共施設が隣接するため、不審者に備えた訓練や職員の研修も行っている。子どもへの防災教育と、来るべき時に備えている当園の取り組みを発表する。
⑦大阪府:浅井理加(豊中あけぼのこども園主幹保育教諭)、髙橋佑果(豊中あけぼのこども園保育教諭)、田村李華子(豊中あけぼのこども園保育教諭)、大方美香(大阪総合保育大学大学院教授)
テーマ:縦割り保育を通して育まれる人間関係~3歳児・5歳児の「バディ(1対1のペアを組む)」という関わりを通して~
3・4・5歳児の縦割り保育を始めて12年。当初より3歳児と5歳児が年間を通して1対1のペアを組む「バディ」というものを取り入れている。日々の子どもの姿から、この「バディ」という取り組みが子ども同士の関係性の構築、感情の揺れ動き等、「人間関係」の成長に大きな影響を与えていると改めて感じる場面が多くあるため、今回「バディ」を保育者だけでなく保護者や子どもも含めた様々な視点から検証した結果を発表する。
⑧大阪府:河野珠里(庄内こどもの杜幼稚園レギュラー保育教諭)、西川知里(庄内こどもの杜幼稚園レギュラー保育教諭)、中西彩(庄内こどもの杜幼稚園上級リーダー保育教諭)
テーマ:保育者同士の対話が広がる会議~子どもたちの主体性の育ちに繋がる対話とは~
入職して2年目の素朴な疑問。「キャラクターやイラストの利用を推奨していない園が、なぜ子どもたちが使用している個人ロッカーの目印としてイラストを物的環境としているのか?」というもやもやした気持ちから始まった。子どもの豊かな発想や表現、主体性を引き出すための関わりや環境構成を知りたい!でも、園の価値観を踏まえた職員一人ひとりの保育観を知ることのできる時間が少なく感じている。唯一集まって話し合うことのできる“会議”について、園全体で事例を基に考えていった経過と共に、皆さんと話し合いたい。
⑨大阪府:谷邨由麻(せんりひじり幼稚園・ひじりにじいろ保育園年少学年主任)、水上茜(大妻女子大学大学院生)
テーマ:『保育者が“自分らしく”羽ばたくまで~若手保育者の語りに着目して~』
保育者は日々、計画を立て、実践し、振り返るサイクルを通じて保育の専門性を高めていると考えている。今回は“自分らしさ”を活かしながら保育をする4年目の保育者に焦点を当て、新任時の経験がどのように積み重なり『今』に繋がっているのかをインタビュー形式で聞き取りを行う。その中で見えてきたキーワードや、関連性、先輩からのアプローチなど、浮かび上がってくる共通したことを明らかにしながら、“若手保育者が羽ばたくまでを支える指標”を探っていきたい。
⑩大阪府:楠田華子(幼稚園型認定こども園念法幼稚園主任)、岡元志保(幼稚園型認定こども園念法幼稚園教諭)、池亀千夏(幼稚園型認定こども園念法幼稚園教諭)、上田桃子(幼稚園型認定こども園念法幼稚園教諭)、藤原千尋(幼稚園型認定こども園念法幼稚園教諭)
テーマ:子ども理解からはじまる環境構成の取り組みについて~今ある環境で最善を探る~
自園では、保育者主導の保育から脱却し、子ども理解から始まる子ども主体の保育を目指し、環境構成に力を入れている。しかし、教室のような壁付ロッカーのある保育室では、空間を区切るのが難しく、子どもの遊びが広がり深まる環境作りに悩んでいる。また、掲示物が子どもの興味や関心を引き、遊びに繋げることにも苦労している。環境構成を見直す中で、これまでの保育の進め方にも課題があることに気付いた。今回の発表では、子ども主体の保育を目指した環境構成の取り組みを共有し、参加者の皆様と意見を交換しながら共に考え学ぶ機会にしたいと考えている。
⑪兵庫県:松本圭世(幼保連携型認定こども園はまようちえん管理栄養士)、樋口詩菜(幼保連携型認定こども園はまようちえん教頭)、大野更紗(幼保連携型認定こども園はまようちえん保育教諭)、長尾美幸(幼保連携型認定こども園はまようちえん管理栄養士)
テーマ:管理栄養士と保育士でつくる はまよう流「食べることは楽しい」~食材×献立×調理×食べ方のヒミツ~
子どもを取り巻く食のあり方は、欧米化、外部化・簡便化など大きく変化し、飽食と食の貧困が同時に叫ばれている。食べることはWell-beingの基礎を培う上での最重要課題であると考えるはまようちえんでは、管理栄養士を保育の中で「食べるの先生」と位置付け、「食べることは楽しい」というテーマのもと、子どもにとって理想の食について考え取り組み、毎日の給食では顔の見える関係から仕入れた安心・安全な旬の食材を <煮る、炊く、蒸す、焼く>素材の味を引き出す一汁二菜で提供している。子どもは体を動かした後、自分たちで食べる準備を進め、空腹で「いただきます」を迎え、自分で食べる量や食材を調整して楽しく食べ、自ら後片付けをする。本発表では、自園の「食べる」の考え方の基礎・基本を整理し、日常的に実践してきたことを発表する。
⑫兵庫県:岩野志保(認定こども園七松幼稚園保育教諭)、西村亜実(認定こども園七松幼稚園主幹保育教諭)、白野未侑(認定こども園七松幼稚園保育教諭)
テーマ:ミドルリーダーが考える園の地域における役割・使命と、実践に向けた取り組み
クラスの活動の中で地域との連携という部分に意識を向けて保育をしてきた。更に地域との連携を深めていくために、七松学園のリーダーが集まり、地域とどのように歩んでいきたいか、また地域にどのような発信をしていくのかを、近い未来を見据えて考えた。その中で、認定こども園七松幼稚園が現在取り組んでいる、地域との具体的な取り組みについて発表する。
⑬兵庫県:安達仁美(認定こども園いぶき幼稚園教諭)、林結女(認定こども園いぶき幼稚園教諭)、山田麻奈未(認定こども園いぶき幼稚園教諭)、岡田紗希(認定こども園いぶき幼稚園教諭)
テーマ:「やりたい!」から「やってみよう!」へ~日々の遊びが行事につながるまで~
当園は「自分で考え、決め、動ける主体性の高い子」が育って欲しいと願い、日々の園生活では子どもの思いから始まる遊びを大切にしている。今回、日々の遊びがどのように行事へつながっていくのか、その様子をまとめている。当日は参加者の皆様と一緒に、子どもが自ら「やりたい!やってみよう!」と自発的に参加したくなる行事のあり方などについて考えられればと思う。
⑭兵庫県:佐々木聖華(幼保連携型認定こども園神戸女子大学附属高倉台幼稚園主任)、繁中友里(幼保連携型認定こども園神戸女子大学附属高倉台幼稚園主任)
テーマ:5歳児の主体的な生活と学び
子ども達が主体的に園生活を送り、自信や意欲をもって小学校に入学してほしい。そのためには保育教諭が子どもの興味や関心に耳と心を傾け、子ども達の「やってみたい!」が実現できる生活を子どもと共につくっていくことで、様々な場面で子ども達が自信を付け、成長していくのではないかと考えた。子ども達が「やってみたい」と思った「大学探検」を通しての、養成校の附属園ならではの取り組みを発表する。
⑮兵庫県:宮﨑英輔(認定こども園武庫愛の園幼稚園3歳児主任・研修統括)、伊藤友佳(認定こども園武庫愛の園幼稚園教諭)、濱名潔(認定こども園武庫愛の園幼稚園副本部長)
テーマ:子どもが紡ぐイマーシブな保育~リアルとファンタジーの間で~
コロナ禍、子どもの経験や体験がたくさん失われることが危惧された。その時の試行錯誤から、子どもの没入体験(物語の世界に入り込む自分が主人公のような感覚)や特別感を味わうことが大切だと感じた。没入体験は、子どもたちのイメージを膨らませ、面白い、楽しいというポジティブな気持ちを搔き立てた。本発表では、このような「イマーシブ保育」について報告と考察する。
⑯兵庫県:古川智規(認定こども園立花愛の園幼稚園保育教諭)、森陽一(認定こども園立花愛の園幼稚園副園長)、濱名浩(認定こども園立花愛の園幼稚園園長)
テーマ:子どもと父親~おやじの会を通して見えてきた関係性~
園行事にあまり参加できない父親が多いなか、本園では“おやじの会”を実施している。おやじの会では①父親が集まり交流を深めたり、②親子でイベントに参加して、普段見られない子どもの頑張る姿を見たり、③父親が園に関わっている姿を子どもが見られる機会を大切にしている。このような取り組みを振り返り、おやじの会に参加する親子の関係性や相互にもたらす影響について考察する。
⑰京都府:池田純子(ひかり幼稚園教務主任)、公庄梓(ひかり幼稚園4歳児学年主任)、小林亜貴子(ひかり幼稚園3歳児学年主任)
テーマ:変えるってパワーが必要!~行事改革の葛藤~
今の子どもたちの育ちにとって大事なことは何だろうということを見つめ直し、子どもが主体的にものごとに関われるように日々の保育を変えてきた。その中で、行事の持ち方も保育者主導から子どもが主体になるように変え、過程を大切にしてきたが、目に見える結果に重点を置く保護者には伝わりにくい様子があった。私たちが大切にしている子どもの思いや育ちは見えにくい姿であるため、保護者にどのように伝えるか模索中である。行事改革における葛藤について皆さんと意見を交換したい。
⑱京都府:丸橋初恵(泉山幼稚園教諭)、吉田真子(泉山幼稚園教諭)、齊藤江美(泉山幼稚園教諭)、鳥居咲江(泉山幼稚園教諭)、白川真琴(泉山幼稚園教諭)
テーマ:自然の中で育む一人ひとりの豊かな感性と生きる力
本園の持つ豊かな自然の中で過ごす子どもたちの感じ方は様々で、それぞれが好きにかかわれることが自然の面白さであると考えている。その中で自分の感じ方やかかわり方を他者に受け入れられることが自己肯定感を育み、生きる力につながっていくのではないだろうか、そんな好奇心を満たす自発的な遊びこそ、真の学びであると捉え本園ならではの保育実践を語りたい。
⑲神奈川県:吉岡和恵(認定こども園厚木緑ヶ丘幼稚園年長学年主任)、難波忠弘(認定こども園はやし幼稚園副園長)
テーマ:年長さんってすごい!~憧れる気持ちが紡ぐ子どもの育ち~
発表者らが所属している学校法人緑ヶ丘学園では、【心豊かにたくましく】を教育方針として、子どもが主体的・意欲的に遊び、学ぶことができる保育を目指し、保育環境を構築している。本研究発表では、発表者が昨年度年中担任として子ども達と関わる中で、年長児に対しての憧れの気持ちを大切にし、クラスの子ども達が年長組になることに期待を持てるように、目の前の子どもの姿や表情を受けとめながら過ごした記録である。
⑳神奈川県:中間美央(認定こども園はやし幼稚園年長学年主任)、難波忠弘(認定こども園はやし幼稚園副園長)
テーマ:子どもの声をひろう保育~楽しいよりも面白い~
発表者らが所属している学校法人緑ヶ丘学園では【心豊かにたくましく】を教育方針として、子どもが主体的・意欲的に遊び、学ぶことができる保育を目指し、保育環境を構築している。本研究発表では、発表者が担任として子ども達と関わる1年間の中で、子どもの声をひろい、遊びを広げたり、筆者の意図を環境に落とし込み、子どもとの対話や育ちについて、試行錯誤も交えて記録したものである。
㉑神奈川県:岩﨑遥(西鎌倉幼稚園教諭)、長内美沙希(西鎌倉幼稚園教諭)、津山南帆(西鎌倉幼稚園教諭)、佐藤典子(西鎌倉幼稚園教諭)
テーマ:誰もがわくわくする保育を目指して!!vol.2~つぶやきアナリストへの道~
昨年度の実践の発表では、子どもの“つぶやき”を大切にしてきたことで、より子ども達の“楽しい”にフォーカスができ、遊びを深められる契機となり、子どもも先生たちもワクワクがアップしていった。だがしかし、園全体で遊びをより深めていくための共有や実践で得た学びを継続することに課題を感じた。そこで、子どものつぶやきを多面的に解析・分析し、その子の思いを園全体で繋げていくために、ドキュメンテーションの作成を試みた。誰もが子どもの思いに寄り添う「つぶやきアナリスト」を目指し、子どもの本当の心の理解に努めていきたい。
㉒神奈川県:渡邉結(初音丘幼稚園園長)、福島美幸(初音丘幼稚園主任)、宮下真梨萌(初音丘幼稚園教諭)
テーマ:子どもたちの声って面白い!〜子どもの姿から保育を見直してみよう〜
当園は「子ども主体の保育」とはどのようなものかを改めて考え、変革期を迎えている幼稚園である。その中で、わくわくタイム(遊びの時間)の時間に家づくりを行なった年長児の事例をもとに発表する。子どもの“やってみたい”を大切にしたら、子どもたちが遊びに関わる姿が変わった。そしてその子どもたちの姿から、保育者も保育の捉え方が少しずつ変わってきた!?という、保育改革の中での試行錯誤の過程を考察し、これからの保育について考えていきたい。
㉓神奈川県:岡野きよみ(認定こども園捜真幼稚園副園長)、伊藤香奈(認定こども園捜真幼稚園保育教諭)、金井和可子(認定こども園捜真幼稚園保育教諭)、宮下桃果(認定こども園捜真幼稚園保育教諭)
テーマ:保育を豊かにするための学年複数担任制
認定こども園に移行して10年間の保育者体制の遍歴について。クラス担任制から学年担任制へと移行していく中で、今の保育者体制を評価しつつ、保育者の連携の課題を見つけ振り返り、改善してきたあゆみについて。(保育者配置や業務の見直し、記録や保育者間連携、保護者との連携)また改善してきたことが、保育者や子どもたちにとって、より良い豊かな保育へ結びつけられてきたのか、今後の課題はどこにあるのか?
㉔神奈川県:小湊将之(認定こども園平和学園幼稚園園長)、羽賀あずみ(認定こども園平和学園幼稚園保育教諭)、佐藤ミチル(認定こども園平和学園幼稚園保育教諭)、髙野真穂(認定こども園平和学園幼稚園保育教諭)、一色里絵(認定こども園平和学園幼稚園保育教諭)
テーマ:「ようちえんに信号?!」子どもの気づきからの活動~一貫校のつながりを活かして~
4歳児クラスのくるま遊びから、園舎廊下に信号や標識ができた。この活動をどう広げていこうか。平和学園は1歳児から高校3年生までの一貫校である。小中高生の専門性のある教師に質問をしにいくことで、より活動を深めていくことができる。この春に始まったこの活動がどのように進んでいくのか、いかないのか。ここからの子どもたちの活動を追いながら、一貫校だからこそできること、学校の職員を巻き込むことで何が起こるのか、子どもたちの姿から学びながらの記録をまとめていきたいと思う。
㉕神奈川県:村松直人(関東学院六浦こども園保育教諭)、渡辺勇貴(関東学院六浦こども園保育教諭)、石塚香苗(関東学院六浦こども園保育教諭)、郷文香(関東学院六浦こども園保育教諭)
テーマ:「何で?ここで?それなの!~子どもの遊びを見つめ直す~」
保育という営みの中で、環境が子ども達に与える影響は大きいと考えられる。私たち保育者は、子ども達の生活や遊びを支えるために意図した環境を設定している。しかし、日々子ども達の遊びと出合うと保育者の意図とは全く異なる場で遊びが展開されることがある。保育者の意図を超えた遊びを目の当たりにするとその世界の豊かさを実感せずにはいられない。本発表では、保育者の意図を超えた遊びの実態を明らかにし、そうした遊びの意味について検討をしていく。
㉖東京都:荒木隆久(ゆかり文化幼稚園園長)、杉本鮎子(ゆかり文化幼稚園教諭)、齋藤恵理子(ゆかり文化幼稚園教諭)、菅野このみ(ゆかり文化幼稚園教諭)
テーマ:藤田妙子のオペレッタ~表現体になる保育実践~
こどもの遊びの中から生まれた藤田妙子のオペレッタ。主役はみんな。役になりきって自由に表現する。集大成として藤田妙子の遺したオペレッタを演じる。そこに至るまでに行われる保育実践。まずはこどもたちと精いっぱい遊んで、お話を拾う。ストーリーを編み上げる、曲をつける、構成を考え舞台やかぶり物を作る。こどもたちに披露しやってみる。オペレッタの役に自然に入り込む素地を養う創造性に溢れた保育の実践。
㉗東京都:北原礼子(武蔵野東第一・第二幼稚園学齢2歳・満3歳児クラス主任)
テーマ:満3歳・学齢2歳児保育はじめました~育ちを支える環境・保育内容とは~
学齢2歳・満3歳児保育を始めて3年目。幼稚園入園年齢の前の子供達が、幼稚園という場で安心して自分らしく過ごせるように。遊びや生活の環境づくり、保育内容や時間の工夫など、試行錯誤を繰り返しながら、本園らしい学齢2歳・満3歳児保育の在り方を探っている。ここでは、今日までの取り組みを、保育者の視点と子供達の遊びと生活の姿から共有する。参加者の皆様からご意見等をいただき、共に考える機会ももちながら、満3歳・学齢2歳児保育の更なる充実につなげていきたい。
㉘東京都:田中岳(小平神明幼稚園副園長)、大城彩夏(教諭)
テーマ:ミドルリーダー世代の職場内での立場の変化とライフコースの変化における葛藤をアウトプットする場の編成に関する研究
20代後半から30代の半ばころになると、職場の中では「ミドルリーダー」と呼ばれるような中間管理職としての職務を求められるようになる。それと同時に、自身の結婚や出産などライフコースにおける変化も大きくなる時期である。この時期になると、職場の中では、経験値が期待され「正しさ」が求められがちである。それ同時に、管理職とのコミュニケーションを図る機会も増え、若手と管理職の板挟み的存在になる傾向がある。職場内では、本音と建前の中間的な発言が増え、そこにストレスを感じる要因があると考えられる。本研究は、違う職場の同業、同世代の少人数研修グループを編成し、定期的な研修と、日常的に悩んだ時や、楽しい実践を共有できる場を構成することで、参加者一人ひとりの仕事に対する意識の変容を考察することを目的としている。
㉙山梨県:河西弘樹(いづみ幼稚園副主幹教諭)、深澤梨紗(いづみ幼稚園主幹教諭)、石野公之輔(いづみ幼稚園理事長)
テーマ:「こどもかいぎ」で広がるSTEAM教育
本園ではSTEAM教育の視点を取り入れた保育を行なっている。大切にしているのは、子どもたちのわくわくする気持ちや新しいことに挑戦する姿勢である。物事をさまざまな面から捉えたり、正解のない問いに向き合ったりする力は、「こどもかいぎ(子ども同士の対話)」を通じて育まれていると感じている。「こどもかいぎ」を重視したSTEAM教育が子どもたちの学びと成長を促すことに着目し、発表する。
㉚新潟県:岸ほのか(東光こども園保育教諭)、鈴木春陽(東光こども園保育教諭)、佐藤志穂(東光こども園保育教諭)、佐藤康富(東京家政大学教授)
テーマ:こども達のやってみたいという探究心や好奇心を育む環境構成と援助の工夫
「はてな・はっけん・やってみよう!」というテーマのもと、こども達のやってみたいという気持ちを受け止め、深掘り・発展ができる環境を通して、自己表現がうまくいかない子の自己肯定感や発信力に着目した。紙飛行機を通してこども達が語り合い、挑戦や失敗を繰り返すことで、心が満たされ科学的・数学的好奇心が掻き立てられたり、家庭を巻き込むことで社会的一体感を経験したりすることができた。それを職員間で共有することで多様な発展を知り、こども達の育ちの可能性を探った。また対象児童のその後の姿や、他の児童の姿なども共有し考察したい。
㉛埼玉県:島田美里(神戸幼稚園主任)、近末彩音(神戸幼稚園教諭)、大木朱里(神戸幼稚園教諭)、篠原夢歩(神戸幼稚園教諭)
テーマ:鳥の目を持った保育者になりたい!No.3
よりよい保育は保育の振り返りから始まる。の考えから、ECEQ®公開保育をきっかけに、月1回外部講師による勉強会、記録を共有する園内研修により、子どもたちの遊びの記録の取り方の変化をまとめた。まとめたものをより効率よく教員間で共有化するために、ICT化を進めた。保育サポート間では、園長からの助言や担任の思い、子どもの様子を随時意見交換や情報交換の時間を設け、ノートにまとめたものを回覧し、全教員の共通理解に繋げた。
㉜埼玉県:青鹿むつみ(栗橋白百合幼稚園主任)
テーマ:4歳児の日ごろの遊びやクラス活動を劇的表現活動につなぐ
「遊びを劇的表現につなぐ生活発表会」をテーマとして4歳児の実践を振り返る。日ごろから、遊びからクラス活動につながり、クラス活動での経験がまた遊びの充実につながるようにしたいと思っている。とくに4歳児の劇的表現活動では、3歳児や満3歳児が保育者と一緒にイメージの世界を遊ぶ姿や、5歳児がクラスの目標に向かって協同的に取り組む姿とは、また異なる面白さがあると同時に、難しさも感じている。日ごろの遊びを劇的表現につなぐことを考えたい。
㉝福島県:坂本万純(福島めばえ幼稚園教諭)、中野圭祐(國學院大學助教)
テーマ:園内研修で私の保育が変わった―保育室の環境作りで子どもも私も変わる―
幼児教育の基本は環境を通した教育である。本園では令和4年から園内研修の講師に國學院大學の中野圭祐氏を招き、幼児理解に基づいた環境構成と保育者の援助について学んできた。また、令和5年には、1日目に講師と共に環境づくりを行い、2日目には講師と共に保育を行う合同保育も実施した。ここでは、研修によって学んだこと、また学びを元に実践してみたこと、実践してみて私自身が変わったことについてまとめた。
㉞宮城県:佐藤愛結花(緑ヶ丘第二幼稚園教諭)、金子友紀(緑ヶ丘第二幼稚園教諭)
テーマ:集団の中で主体性を育むための教師の援助
日々の遊びの中で幼児の思いを引き出し、幼児と共に考え話し合いをくり返しながら日々の保育を進められるように心掛けている。集団の中で、幼児自身が周囲の友だちと協調し自信を持って自己発揮する環境が保証されていることで、主体性を育むことができ、これから生きる基盤が形成されていくのではないかと考え、今回の園内研修を進めていくこととした。
㉟宮城県:舘田早織(矢本はなぶさ幼稚園教諭)、馬場香織(矢本はなぶさ幼稚園教諭)、丁子音々(矢本はなぶさ幼稚園教諭)
テーマ:豊かな心を育む~教師や友達とのかかわりを通して~
本園では「豊かな心を育む」を研究し3年間研究を進めてきた。令和5年度は、クラス活動の中での教師や友達とのかかわりに注目し、個々の実態把握をし、園児理解を深めると共に、変容していく子どもの心の動きや行動を追及してきた。教師の援助方法の幅の広がりについて発表したいと考える。
㊱青森県:岩舘和歌子(認定こども園こもれびのもり幼稚園主幹保育教諭)、田頭初美(認定こども園こもれびのもり幼稚園理事長・園長)、金田一美香(認定こども園こもれびのもり幼稚園教頭)、岡沼良子(認定こども園こもれびのもり幼稚園指導保育教諭)
テーマ:幼保小の連携の在り方について~架け橋プログラムを通して~
幼保小の連携の充実をはかり、2カ年の年月を経て、架け橋プログラムが完成した。これまで、長きに渡り学校訪問や情報交換などをコンスタントに行なってきてはいたが、カリキュラムや幼児期からの育ちに踏み込んでの話し合いをすることは初めての試みだった。お互いの現場を見合い、ふりかえりと共にカリキュラムのねらいや内容について検証していくことは、いつしか架け橋プログラムとして形をなした。顔を合わせて話し合い、共に取り組むことで、共通認識がはかられ、より幼保小の連携が充実していった。そのプロセスとマネジメントについて発表する。
㊲北海道:金澤涼花(幼保連携型認定こども園せいめいのもり年少リーダー)、坂本実優(幼保連携型認定こども園せいめいのもり教諭)
テーマ:保育に『マジ』になれる職場づくり
『キツい・帰れない・給与が安い』と揶揄されがちの仕事を、保育者が保育を自由に語り、意欲をもって仕事に向かえる環境づくりを職場全体で進めていった。園長からパートの先生まで全員が『人のために生きる』宣言の上、変える勇気と変えない根拠をしっかりもち、職員自らの責任によって園の運営を変革した。この発表を園のオーダーなく自ら発表したいという保育者の意識の変遷を、皆さんと共有し考えたい。
㊳北海道:小清水麻衣(認定こども園ほしおきガーデン星の子幼稚園主幹教諭)、宗真奈美(認定こども園ほしおきガーデン星の子幼稚園学年主任)、鶴岡沙耶(認定こども園ほしおきガーデン星の子幼稚園学年主任)、鍋谷静枝(認定こども園ほしおきガーデン星の子幼稚園教諭)、山田実咲(認定こども園ほしおきガーデン星の子幼稚園教諭)
テーマ:「イッチョマエ」→「みんなで楽しい」→「探求」~3歳から5歳までの育ち~
各学年で、3歳児【イッチョマエ】、4歳児【みんなで楽しい】、5歳児【探求する】を年間の保育目標にし、保育を展開した。本発表では、簡単な言葉でありながら深い言葉で、学年ごとに目標を決めた前年度の保育を、保育者がどのように1年を振り返ったのか?暮らしや遊びの中で子ども達がどのように人・物・場に関わり、異年齢が繋がり、保育者の援助・苦悩等についてを実践から考察したい。
㊴北海道:甲野博美(とうやこ幼稚園副園長)、森元真唯(とうやこ幼稚園教諭)、清水桂子(北翔大学短期大学部教授)
テーマ:「主体的・対話的で深い学び」につなげる設定保育の必要性やあり方とは~みんなでかんがえる・たのしむ・ひろがる遊びへ~
自園における遊びは、自由遊びと設定保育を通しておこなわれている。遊びの中で「主体的な学び」、他者とのかかわりを深める中での「対話的な学び」、様々な経験を通し試行錯誤を繰り返す「深い学び」のあり方を振り返った際、自由遊びにおいては「対話的な学び」の経験が十分ではないと感じられた。そこで、園生活全般の当たり前を見直すと共に、特に設定保育の必要性やあり方を検討した。「主体的・対話的で深い学び」につなげることを目指した実践から考察する。
㊵北海道:丸谷雄輔(認定こども園札幌ゆたか幼稚園園長)、竹内倫子(認定こども園札幌ゆたか幼稚園教務主任)、田澤くる美(認定こども園札幌ゆたか幼稚園学年リーダー)、奈良夏海(認定こども園札幌ゆたか幼稚園保育教諭)
テーマ:保護者と保育をどう創るか~子どもにとって、より良いかかわりを目指して~
我々が日々営んでいる保育。その意図を保護者に伝え、理解を深め、どう共感し合っていくか…。様々な方法(お便り・保育参観・保育参加・懇談・ポートフォリオ・ブログ…)で子どもの姿を伝え、保育の尊さを共有しながら実践している。これらの取り組みが、保護者や子どもにとってどのような変化をもたらしているかを振り返り、改めて保護者と一緒に“保育を創る価値”について考えていきたいと思う。
㊶北海道:中山敦子(大地太陽幼稚園園長)、前園和寿(大地太陽幼稚園教頭)、武居晴子(大地太陽幼稚園主幹教諭・栄養士)
テーマ:親子の保育体験から「対話とゆとり」
親子行事の意味を問う研究と提案。子どもは、幼稚園で見せる顔と家庭での顔を持つ。子どもの多面的な心の成長を保育現場から人と場の中で見せる子ども自身からでる自己達成の喜び・嬉しさ・得意顔。その子どもの眼差しを保護者に感じてもらう。大人も子どもになって保育活動に参加し、自然体験や協同体験から対話すること、心で感じる楽しさを実感する。園行事の工夫を実践より提案する。
㊷北海道:渡邊菜々子(あいおい子ども園保育教諭)、村松良太(北海道大学大学院生/あいおい子ども園園長)
テーマ:テロワールから得る保育実践の学びについて~北海道と沖縄での保育者交換留学を通した考察~
気候、文化、風土、自然等の様々な違い、時間や言語における独特な感覚が作用する北海道と沖縄。2週間にわたり、それぞれの園から選出された保育者が越境学習として子ども・職員と共に過ごし、地域性を味わいながら交流を深めた。実施前に抱いていた期待や不安、身を置くと見えてくる園児と保育者の姿や、環境の違いに伴う自身の思考の変化や行動変容を通じて、どのように保育を見つめ直し、学びを深めたかという事例を園長・保育者両者の立場から考察する。
㊸北海道:五十嵐海亜(恵庭幼稚園保育教諭)、及川智博(文教大学専任講師)
テーマ:体育指導の実践から得た保育における導入の捉えなおし
保育における導入を、“ある活動において子どもの理解がより深まるようにする事前活動”と捉え、新任期から様々な手段を用いて子どもの興味関心が最大限に引き出されるよう保育を実践してきた。しかし、担任という役職を離れ、3歳以上児全てのクラスの体育教師として指導と省察を繰り返した1年間の経験が、展開する保育と子どもの姿に変容を遂げることに気づく。どのように視座が変化したかを考察し、自らが抱いてきた導入について問い直したい。