幼児教育実践学会
研究者発表 企画趣旨概要一覧
2023年8月18日(金)16:45~17:30 研究者によるプレゼンテーション
2023年8月19日(土)11:10~13:40 研究者発表
- ①請川滋大(日本女子大学教授)、粂原淳子(日本女子大学特任教授)
- テーマ:学生たちは幼稚園実習の何に苦労をしているのか-四年制大学学生への質問紙調査から-
学生が教育実習へ行くことは大きな学びの機会であるが、一方で実習中に大変苦労をし幼稚園教諭になることを諦める学生も少なくない。学生たちは実習のどういった部分で苦労をし、実習を通して何を感じているのか。その点を質問紙調査を中心に明らかにしたい。
- ②橋本翼(近畿大学九州短期大学准教授)、垂見直樹(近畿大学九州短期大学教授)
- テーマ:地方都市における幼児期の発育・発達に関する研究-3歳児保護者への調査から-
本研究は、地方都市における幼児の発育・発達にどのような要因が関与しているのか調べる目的で行われた、3年間の縦断研究の1年目の結果を公表する。2022年度、保護者に対して養育スタイル等を尋ねるアンケートおよび保護者記入式の発達検査「KIDS」を実施した結果、約300名の回答が得られた。本発表では分析結果を公表し、考察を加えるとともに今後の課題について述べ、研究者や保育者の先生方と活発な意見交換を行いたいと考えている。
- ③小櫃智子(東京家政大学教授)
- テーマ:保育者の専門性と成長-対話を重視した園内研修の取り組みの検討-
保育者の資質・専門性の向上において、保育の振り返りはたいへん重要である。保育者一人での振り返りも重要であるが、同僚と保育を語り合うことで保育の可視化を学び、多様な見方をもたらす重要な機会となり得るのが園内研修である。保育者同士の対話の活性化を重視した園内研修の取り組みと、その効果について発表する。保育者の専門性を高め、保育の向上に資する園内研修のあり方について考察したい。
- ④大澤洋美(東京成徳短期大学教授)、久留島太郎(植草学園短期大学教授)
- テーマ:遊びとリスク 安全の確保と挑戦の保障
保育の中での遊びとリスクについて共同研究を進めている。本発表では、子どもにとっての魅力的な環境と安全の確保や挑戦の保障について、アンケートやガイドライン・マニュアルを基に考察した結果の発表をする。また、遊具での遊びのリスクを低減させ、子どもが様々な遊びにチャレンジするための指導・物的管理・情報共有の視点についても提案をしたい。
- ⑤井内聖(北海道文教大学客員教授)
- テーマ:組織文化の視点から考察する「園の保育観」の構成
「環境を通して行う」幼児教育の環境構成や一人一人の幼児理解と評価は、保育観の影響を大きく受け、それによって異なってくる。しかし、今までの保育観に関する研究では保育者個人の保育観や保育観形成過程に焦点がおかれており、保育者が所属する園の保育観の視点から検討されたものはない。本研究では園庭環境に類似性がみられる園の比較を通して、環境からだけでは見えてこない園の保育観について組織文化の視点から考察している。