各種教育機関、ご家庭と手を携え、生涯の基盤を担う「幼児教育」の質の向上と子どもの育ちを支えます。

一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構

幼児教育実践学会

幼児教育実践学会

口頭発表 企画趣旨概要一覧

口頭発表【Ⅰ】 10:30~12:00

Ⅰ-1 東北地区(秋田県):
仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園園長)、原田かおる(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園副園長)、伊藤瑠糸(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園保育教諭)、三谷大紀(関東学院大学教育学部准教授)
テーマ:学びの連続性を考える
~子ども理解を深め、遊びの過程から学びの芽生えや育ちをみつめる~
私たち保育者は「子どもの見ている世界を共に見つめる存在でありたい」という思いから子どもの姿をベースにした指導計画が子ども理解に繋がり、主体的な生活を創り出すツールにもなると考え試行錯誤しながら取り組んでいる。実践を通して「その子」や「その周辺」に起きていることを捉えていくこと、経験していることを見つめ、同僚と語り合い問いなおしをして、より多面的に見つめて環境の構成・再構成を考えていきたい。今の姿を大事に子ども理解を深め、子どもと共に主体的な遊びを軸にして、学び合う保育を探っていきたいと考える。
Ⅰ-2 東京地区:
千野郁子(さくら幼稚園園長)、小林美里(さくら幼稚園主任)、野田友香(さくら幼稚園管理栄養士)、畠山由美乃(さくら幼稚園教諭)
テーマ:命を育むから 「食育 畑で野菜を育てる 味噌づくり 味噌汁をつくろう」
命を育むというテーマで子どもたちとすごした記録を発表します。
  1. 青虫を蝶へと育てる⇒思いやりの心
  2. 絵本を通して命は他の命で生かされていることを知る⇒感謝の心
  3. 畑で野菜を育て食べ物の成長過程を知る⇒自分の手で作る
  4. 味噌づくり⇒味覚を育てる
  5. してもらうことからしてあげることを経験し、その喜びを知る⇒利他の心
    このような活動を通してこどもたちの成長する姿をみなさんと分かち合えればと考えております。
Ⅰ-3 東海北陸地区(福井県):
杉山聡理(藤島幼稚園園長)、鳥山朋代(藤島幼稚園主幹)、佐々木光江(藤島幼稚園主任)、中瀬未来(藤島幼稚園園内リーダー)、舘岡篤弥(藤島幼稚園フリー教諭)、北野幸子(神戸大学大学院人間発達環境学研究科人間発達専攻教授)
テーマ:あそびをつなぐ「わくわくコーディネーター」による実践~
「子ども」「保育者」「家庭」を繋ぐ組織マネジメントの在り方について~
子どもの興味・関心を大切にして、子どもが「やってみたい」あそびができる環境を創るには、保育者同士が連携し、多様な保育の方向性を共有することが必要だと考えます。あそびを繋ぐ機能を担う「わくわくコーディネーター」を中心に、クラス担任、主任、フリー教諭が繋がり、子どもの「やってみたい」と保育者の「やってみよう」を後押しできるように、保育環境の充実や園内研修の進め方を工夫してきた過程について、情報を共有し、参加者とともに知見を深めたいと考えています。
Ⅰ-4 近畿地区(奈良県):
清川かつ美(登美が丘カトリック幼稚園園長)、井上真子(登美が丘カトリック幼稚園教諭)、春名知穂(登美が丘カトリック幼稚園教諭)、田中佳子(登美が丘カトリック幼稚園特別支援教育士)
テーマ:ユニバーサルデザインの保育・教育を目指して
~子どもの育ちをチームで 支える園に~
幼稚園に在籍する子ども達の中には、入園前から療育手帳を取得している子や乳幼児健診で発達の遅れを指摘され、療育を開始されている子どもたちが増えてきました。
乳幼児期の発達は、一人一人違ったペースで獲得していきます。『気になる子どもの行動を絞り込む』『その行動の理由や要因を考える』『その気持ちや要因にリンクした具体的な支援を考える』、その具体的な支援内容を『クラス全体』と『個』に同時に提供される事で、『全ての子ども達に解りやすい、参加しやすい園生活』を保障する事に繋がってきました。支える支援から育む支援を実践してきたこれまでの取り組みを発表させて頂きたいと考えます。
Ⅰ-5 中国地区(広島県):
手塚由美子(フレーザー幼稚園園長)、辻明妃(認定こども園西部めばえ園長)、菅原知恵子(認定こども園西部めばえ主任)、渡邉美妃(認定こども園サムエル幼稚園教諭)、柏麻奈(千鶴幼稚園主任)、佃文香(神辺千鶴幼稚園主任)、渡辺舞(福山りじょう幼稚園主任)、髙橋愛美(めばえ幼稚園教諭)、濱田祥子(比治山大学現代文化学部子ども発達教育学科准教授)
テーマ:対話に基づく保育(コロナ禍の実践を通して,保育のプロセスにおける対 話について考える)
新型コロナウイルス感染症の拡大によって,保育の当たり前は変更を余儀なくされた。それは,改めて保育とは何か,子どもにとって大切なことは何かを考える契機ともなった。コロナ禍では,従前以上に,子ども,保育者,保護者など,保育に関係するさまざまな人の声を聴きながら保育をした。発表では,水遊び,運動会などの保育実践やICTツールの活用,保育者間の関係性など,さまざまな視点から事例を紹介するとともに,保育のプロセスにおける対話について参加者と共に考えたい。
Ⅰ-6 四国地区(高知県):
小松幸(フレンド幼稚園園長)、山本萌絵(フレンド幼稚園教諭)、松本博雄(香川大学教育学部教授)
テーマ:異年齢活動を通しての子どもの学び(認め合い 支え合う 仲間づくり)
平成29年度に幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂において「主体的・対話的で深い学び」の必要性が示され、それまでの保育を振り返った際、クラスでは自発的に遊びに参加するが、他のクラス(学年)が入ってくると遊びを十分に楽しめずトラブルが発生して縦の繋がりの弱さを感じた。また核家族化や少子化、地域の人間関係の希薄化による子育てにより、地域にも多く見られていた子ども達の異年齢集団が少なくなり、子ども達を取り巻く環境は大きく変化している。
このようなことを踏まえ、子ども達が異年齢で心ゆくまで遊べる時間、互いに他者との関わりを深め、自分の思いや考えを表現し伝え合ったり、思いやったり、協力し合ったり、教え合ったり、子ども達が自主的に相互で学び合う機会がもてる環境を深めていくことを目指した。同時に異年齢活動の回数を重ねていくうえで、異年齢活動時の姿、クラスに戻った時の姿にも焦点をあて、個々の様子を全職員で共通理解し、保育者の援助の仕方を考えたり、環境構成を再構築したりと色々な方法を考えて研究を進めていきたいと思う。
Ⅰ-7 大阪府:
齋藤佳津子(パドマ幼稚園主査)、弘田みな子(パドマ幼稚園研究員)
テーマ:幼小接続、3つの柱、伝統文化
「立絵」(ペープサート)を絵巻物の起源まで遡り、伝統文化の流れに触れながら、平面に描いた絵を切り離し「絵ものがたり」を作るプロジェクト実践(3歳~ 8歳)を行いました。また、幼児期が扱いやすい鉄琴を用いて、わらべうたにみられる「ヨナ抜き五音階」の効果音も入れて上演しました。ことば・表現・音の3つの領域を融合させ、現場での実践を考えてカリキュラム化した「立絵芝居」の制作実践プログラムを、幼小接続の実践研究として報告します。
Ⅰ-8 福岡県:
川口克代(頓野幼稚園園長)、山本彩華(頓野幼稚園教諭)
テーマ:カブトムシを育てて命に出会った4歳の発達。
きっかけは一人の男の子。虫が好きだが"命"が分からず、殺していた。どうすれば命の大切さを伝えることが出来るかを考えた結果、カブトムシを育てる事にした。毎日観察する事で、好奇心、探求心を持って関わり、生まれてくる命を目の当たりにし「カブトムシが生まれた!」と感動し「クヌギの木に放そう」「でも寂しいという優しさや悲しさの葛藤を繰り返したり、死に直面したりする事で子どもの内面が変化。その事についてまとめた。

口頭発表【Ⅱ】 15:15~16:45

Ⅱ-1 北海道地区:
大徳佳子(認定こども園ほしおきガーデン星の子幼稚園教諭)、松永愛子(目白大学准教授)
テーマ:4歳児の個の育ちと仲間関係の育ち・協同性の芽生え
本園は、一斉活動中心の教授学習型保育方法を行っていたが、2015年の新園長就任以降、本格的に遊びを中心とした保育方法への転換を目指し7年目となる。研究者松永は、2017年から本園にて保育の転換過程における課題や乗り越え方を探る事例研究を行ってきた。今回の研究発表では、子ども達の遊びが変わってきた過程を説明しつつ、現状の遊びの質を個と仲間の観点から担任による事例を通して明らかにしたい。また、議論を通して課題を明確にしていきたい。
Ⅱ-2 関東地区(群馬県):
松村芳子(粕川幼稚園園長)、大方美香(大阪総合保育大学学長)
テーマ:子ども理解を深めるための同僚性のあり方
子ども達の育ちや職員間の同僚性を共に高めるためにメリットがある考え、異年齢合同保育を初めて実践した事例。その効果と課題を探る。それまでの保育を変化させるためには、保育者たちの心の通い合いが大事になるが、葛藤も予測される。そのような中での職員同士の「こころのつながり」も研究していきたい。
Ⅱ-3 神奈川地区:
難波忠弘(認定こども園はやし幼稚園副園長)、佐藤康富(東京家政大学教授)
テーマ:オンラインによる公開保育の試み
以前より、筆者らは保育の質的改善のため、神奈川県私立幼稚園連合会が行う特別研究部会で自園を超えて、様々な保育を展開する保育者同士が保育について語り合い、振り返り、自分なりに保育をより善くするための方途を考える場を構築してきた。しかしながら、この新型コロナウイルスの感染が拡大する中では、研究部会自体もオンライン開催となり、対面で行う公開保育を中止せざるを得なかった。そこで、本研究ではオンラインによる公開保育のあり方を探り、その可能性と課題について明らかにするものである。
Ⅱ-4 大阪地区:
伊東桃代(常磐会短期大学付属いずみがおか幼稚園教頭)、中村妙子(常磐会短期大学准教授)
テーマ:「睡眠教育・みんいくってなに?」
子ども達との生活の中で、寝ることってどんな風にとらえていますか?基 本的生活 習慣の中の「睡眠」どうとらえていますか?
「基本的生活習慣の重要性」そんな言葉はよく耳にするこの仕事。とはいえ、現場でどの程度、重要視されているでしょうか?基本的生活習慣の中でも『睡眠』に関して地域中学校区での取り組み、教医連携の取り組みを紹介します。様々な事例を通して、明日からできそうなことを参加者の方と共に考えていけるよう計画しています。また、眠育推進活動の取り組みにも参加していただいている絵本作家さいとうしのぶ氏にも登壇いただき、みんいく(眠育)絵本制作の話も交えていきます。
Ⅱ-5 九州地区(沖縄県):
谷成悟(慈愛幼稚園園長)、藤野七恵(慈愛幼稚園教諭)、譜久山祈子(慈愛幼稚園主任)
テーマ:幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえた子ども理解
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、5領域の示すねらいと内容に添った日頃の活動を通して資質・能力が育まれ、幼児期の終わりごろまでに育ってほしい具体的な姿として示されたものである。それは、教師が子どもの育ちを見る時の視点、また方向性を示したものであり、決して到達点ではないと捉える。
そのことを踏まえ、発達段階や個性を見極めた上で子ども達が発した言動に秘められた気持ちの読み取り、今、何が育とうとしているのか内面の育ちを理解し、保育計画を進めていくことだと捉える。
Ⅱ-6 東京都:
渡邊智恵子(明星幼稚園園長)、関田祐子(明星幼稚園教諭)、山浦紗妃(明星幼稚園教諭)
テーマ:幼小接続 ~「なだらかな接続」に向けた幼稚園および小学校における施 策に関する研究~
小1プロブレムが話題となり、2017年に改訂・告知された幼稚園教育指導要領と小学校学習指導要領では、幼児期の教育による「育ち」と小学校の教員による「学び」をつなぐことが提示された。そこで「なだらかな接続」に関する文献調査を踏まえ、聞き取り(先進事例となる学校)やセミナー参加(大学教授による)からの情報をもとに明星学苑における幼稚園と小学校の接続のあり方について考察し、また接続カリキュラムや実施に向けてのプラン作成を試みた。この研究を広くお伝えし参考としてただけることを願って企画いたしました。
Ⅱ-7 神奈川県:
鈴木直江(関東学院六浦こども園園長)、千葉綾子(関東学院六浦こども園主幹保育教諭)、村松直人(関東学院六浦こども園副主任)、石塚香苗(関東学院六浦こども園保育教諭)、久保文香(関東学院六浦こども園保育教諭)
テーマ:子どもと共に暮らすとは…
~子どもの生活の中にある「、」~
園生活の中にある子ども自身が興味関心に基づいた経験を通して育つ「、」(節目)と行事や活動などの経験を通して育つ「、」(節目)に保育者が目を向け、育ちの節目ともなる「、」を子ども理解の鍵として捉え、関係性や結びつきを考えていく。