各種教育機関、ご家庭と手を携え、生涯の基盤を担う「幼児教育」の質の向上と子どもの育ちを支えます。

一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構

幼児教育実践学会

幼児教育実践学会

口頭発表 企画趣旨概要一覧

口頭発表【I】 10:30~12:00

I-1 東北地区:青森県
秋元彩香(弘前みなみ幼稚園園長代理)、工藤優香(弘前みなみ幼稚園保育教諭)、鎌田美希子(弘前みなみ幼稚園保育教諭)、町田悠(弘前みなみ幼稚園指導教諭)、佐々木典彰(柴田学園大学短期大学部教授)
テーマ:
幼児の体力向上について-

子どもの体力低下や運動に意欲が向かない子どもが増えていることから、乳幼児期に色々な動きを経験することによって運動に興味を持ち意欲的に取り組めるのではないか。そこで本研究では「幼児期に経験させたい27の動き」を遊びの中に意識的に取り入れられる環境設定や具体的な遊び活動を考案し、それを実践した結果、子どもたちにどのような変化がみられたかを報告する。
I-2 神奈川県
森本壽子(鎌倉女子大学幼稚部部長)、佐伯胖(東京大学名誉教授)
テーマ:
幼児教育の在り方を問い直す

子ども達とかかわる保育者は、何を大切なものとし、何をすることは避けなければいけないのか。幼児教育の本質的な在り方を、改めて問い直すと共に、実際、現場においては、どのように、子どもの姿を受け止め、関わっていけばよいのか。参加者に出して頂いた保育の実践事例をもとに東京大学名誉教授佐伯胖先生のご指導を頂きながら、話し合いを進めてきましたので、その内容を発表させて頂きます。
I-3 関東地区:新潟県
中村知嗣(愛泉こども園副園長)、有坂はるひ(愛泉こども園アトリエスタ)、冨田治子(愛泉こども園主任保育士)
テーマ:
日本のこども園にアトリエリスタとアトリエとがあることの意義
アトリエリスタと保育者の変容、アトリエと保育室の相互行為から考える-

愛泉こども園ではレッジョエミリアの幼児教育に感銘を受け、アトリエの部屋を用意し、子どもの行為をアートの観点から見て表現を支える役割としてのアトリエリスタを配置した。最初はアトリエを素材と対話しながら、モノとの関係性を育む場、自由に創作活動をする中で自分なりの考えを表現することが楽しめる場として捉えていた。アトリエを開いて5年間経ち、最初の思いとは少し違う場になっているようにも思うが、アトリエの存在は確実に子どもが表現する楽しさを感じる事に寄与しているし、その表現を尊いものとして見るアトリエリスタの観点や子どもへの関わりは、保育者の保育観に影響を与えている。本発表では日本の保育において、アトリエがあることの意義について、保育者意識の変容、そしてアトリエと保育室を行き来する子ども達の実践から考えていきたい。
I-4 大阪府
杉本圭隆(むつみこども園園長)、北島孝通(庄内こどもの杜幼稚園園長)、平林祥(ひかり幼稚園主事)、岡部祐輝(高槻双葉幼稚園教頭)、安達譲(大阪教育大学非常勤講師)
テーマ:
保育者・園長が主体的に学び続けるための研修・研究・評価への取り組みについて
~学びを止めない~

新型コロナウィルス感染拡大により、流行以前と同じ形での園外での研修・研究・評価実施が難しくなっている。そのような時代にあっても、また、そのような時代だからこそ保育者・園長が個人として、チームとして主体的に学び続けることが大切である。大阪府の連盟として研修・研究・評価計画の再編や、オンラインを含めた実施方法の見直し、新しい形の評価制度導入やその運用などについて取り組んできた過程を発表する。
I-5 近畿地区:京都府
川名マミ(菊の花幼稚園園長)、西野結女(菊の花幼稚園教諭)、穴原万希(菊の花幼稚園教諭)、川上大樹(菊の花幼稚園教諭)、中橋美穂(大阪教育大学教授)
テーマ:
おはよう!!「きょうはなにをしようかな」
~子どもと一緒に創る、わくわくする園庭~

本園では、子ども達が登園した際に初めに通る場所が園庭です。自分の保育室に向かうまでの道のりで、子ども達は何に興味関心を持つのか、どんなアプローチがあれば、ただ通過する場所ではなく楽しむことが出来るのか、ただ広い場所としてだけではなく、今後、能動的に人・物に関わる力を育てたり、遊びのイメージを膨らませる場にする為には…園庭も保育室の一つとして捉え、子ども達の変化を追いかけています。
I-6 四国地区:徳島県
村田千子(神崎幼稚園園長)、森本綾子(神崎幼稚園教諭)、多喜田真由子(神崎幼稚園教諭)、勝浦美和(四国大学短期大学部講師)
テーマ:
〇異年齢交流での子どもの育ち
〇満3歳入園児(前年度)と3歳入園児(今年度)での同じクラスでの子どもの育ち

豊かな自然環境の中で,子どもたちは裸足で広い園庭を走り回っています。園庭のあちらこちらで異年齢で遊ぶ子どもたちの姿が見られる。また平成30年度から満3歳児保 育を始め,満3歳入園児(前年度)と3歳入園児(今年度)が同じクラスで生活をする中で,それぞれの子どもたちの育ちと教師の関わりを実践から考えていきたい。

口頭発表【II】 13:15~14:45

II-1 北海道
立田祐理(恵庭幼稚園保育教諭)、田村めぐみ(札幌国際大学助教授)
テーマ:
3年間のつながりと積み重ねから捉える保育実践の考察-

遊びや育ちなどの保育を記録によって可視化し、園児理解や保育の質向上につなげる取り組みが多くの保育現場で実践されている。しかし、それらは日々の保育実践を対象にしているため「今、ここにある姿」を捉えているものの長期的視点に立ち、つながりや積み重ねといった系統的な視点からの整理はあまりされていない。担任が年度により交代する当園において保育者が代わってもつながる保育実践のあり方を実践から考察してみたい。
II-2 東京都
関政子(やはた幼稚園園長)、関龍太郎(やはた幼稚園副園長)、川島久美子(やはた幼稚園教諭)、浅見均(青山学院女子短期大学特任教授)
テーマ:
幼児の内発性と創造性に関する一研究
-ライトテーブル及びOHPなどを使用した遊びを中心に-

本研究は、ライトテーブル、OHPなどを使用した本園プロジェクト「光と陰」を手掛かりに研究を行ったものである。研究体制は、保育者、芸術家、影絵劇の専門家、大学教員からなる。プロジェクトは主に本園ホールに設置した「光と陰の部屋」にて行ったもので、上記の機器の他に色付きアクリル製透明積み木や、透明半透明のマテリアル、貝殻、木片などが用意されており、子ども達にとって新奇で魅力的な空間となっている。そこにおいて子どもたちはどのように遊びを想像して行くのかということについて研究したものである。
II-3 東海北陸地区:石川県
鮎川正(木の花幼稚園園長、(一社)石川県私立幼稚園協会研修委員長)、中谷薫(津幡とくの幼稚園園長)、山本さやか(津幡とくの幼稚園ミドルリーダー)、虫明淑子(北陸学院大学教授、)
テーマ:
ドキュメンテーションを通じて保護者とどう対話を図るか
-「見える化」への模索、挑戦、協働へのプロセス-
本発表は、ドキュメンテーションを通じて保育を保護者に伝える各園の取り組み、また、地区の研修で情報交換し、保育の質を向上する協働プロセスについての報告である。コロナ禍でのドキュメンテーションの効果は、保護者のみならず、保育者の力量形成や園全体の活性化につながった例は多く挙げられるものの、課題については十分に共有されていない。そこで今回は、「どうすればもっとよいドキュメンテーションがつくれるのか」に焦点を当て、検討する。
II-4 中国地区:岡山県
冨谷知子(中仙道幼稚園研究主任)、大山真実(中仙道幼稚園研究副主任)、井山房子(岡山大学教授(特任)、岡山大学教育学部附属幼稚園園長)
テーマ:
幼児が遊び込める環境構成と教師の援助を探る-

豊かな学びのある遊びへと質を高める為には、幼児が主体となる生活をする中で、遊び込む経験を大切にしたいという考えに至った。遊び込む姿の捉え方、遊び込める為の環境構成や教師の援助に視点をおき仮説を立てた。その仮説を意識し保育実践を行い、エピソード記録をとった。その記録を基に事例検討を行い、仮説を立証しながら環境構成や教師の援助の理解を深め、遊びがより豊かなものになるように工夫していきたいと考えている。
II-5 九州地区:大分県
田吹加奈子(別府大学附属幼稚園教諭)、菅原航平(別府大学短期大学部講師)、石川千穂子(別府大学短期大学部講師)
テーマ:
5歳児保育実践 「子どもの主体的な活動としての遊びが充実するための環境を考える」
~主体性の育ち、そして友達とのつながりを求め続けて~

令和元年度5歳児の保育実践です。子どもたちは全体的に勢いがあり一人一人が力を持っていると感じるが、友達と一緒に目的をもって楽しむ姿はあまり見られなかったため、姿や育ちを捉えなおし保育の見直しを図った。姿からポイントを絞ったことで、少人数で目当てをもったり面白さを感じ友達と工夫しようとしたりする姿が生まれ始めた。しかし、保育者の願いが先行してしまい、主体性の育ちや友達とのつながりにはなかなか向かわなかった。何度も援助を試行錯誤した実践の振り返りです。