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一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構

幼児教育実践学会

幼児教育実践学会

口頭発表一覧

口頭発表【I】9:30~11:00

北海道地区:
井内 聖(恵庭幼稚園園長)、川田 学(北海道大学大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター准教授)、伊藤未来(恵庭幼稚園教諭)
テーマ:
3歳児が『遊びを自分のものにする』ための援助の視点と環境づくり
幼児教育では『遊びが大切』と誰もが疑いなく口にする。しかし、これは「遊べる」ことが前提の話であり、ややもすると集団の視点が強く入る幼稚園教育では「遊べる」ことの定義すら曖昧なまま、個の「対遊び」の視点が抜け落ち「遊べる子」と「遊べない子」に分けて見てしまうきらいがある。そこで本研究では、それぞれの子どもが、それぞれの入り方とプロセスで「遊べるようになる」そして「遊びを自分のものにする」ためには、どんな見方や関わり、環境作りが必要なのかを3歳児の記録から探求し、明らかにしていきたい。
東北地区(岩手県):
石川悟司(盛岡大学准教授・盛岡大学附属松園幼稚園園長)、千葉瑞穂(盛岡大学附属松園幼稚園教頭)
テーマ:
保育に活きる記録の書き方について
平成24年自主研修「保育に活きる園内研修のありかた」において「場の問題」と「質の問題」について研究を行った。特に「質の問題」において(1)自分を開くこと(2)繋げあうことは、記録を個人の問題に留まらせずに全体の問題として共有していくことの大切さを強く感じた。本研究は、各教員各々が日々の保育の中での心の揺れについて、どのように語り、それが園内研修の場においてどう繋がれていくのか、さらにそれが次の保育の有り様にどう活かされていくのかという点について研究を進めていく。
長野県:
宮崎 温(こどもの森幼稚園教諭)、佐久間孝行(こどもの森幼稚園野外教育指導員)、高橋健介(東洋大学准教授)、請川滋大(日本女子大学准教授)、竹村直記(上智大学大学院大学院生)、江上夕貴(日本女子大学学生部)
テーマ:
道具の使用およびその援助による自然環境へのかかわりと学びの深まり-森のようちえん「こどもの森幼稚園」の保育実践より-
「こどもの森幼稚園」では飯綱高原の四季折々の豊かな自然環境へのかかわりを通して、幼児の学びや育ちを促すことを重視している。さらに、幼児が道具(クロスカントリースキー、ノコギリ、古い農機具など)を用いることで自然環境での遊びや活動を広げ、学びを深めていることが考えられる。本研究では、「こどもの森幼稚園」での道具の使用とその援助を検討することで、保育実践において道具を用いて環境にかかわることの意義について探求したい。
千葉県:
請川滋大(日本女子大学家政学部准教授)、石川直樹(めばえ幼稚園教諭)、田甫綾野(山梨大学大学院教育学研究科准教授)
テーマ:
自発性を尊重した活動・遊びを通しての集団の育ち-5歳児の1年間の生活から-
5歳児の1年間の姿を追いながら、担任教師は集団の中でどのようにして子ども達の「個」を尊重し支えていったのか。また、個を尊重する保育をしながらいかにしてクラス集団を形成していったか、それらの点について報告したい。めばえ幼稚園では、子ども達が自ら選ぶ好きな遊びと、一年の中で行われる様々な行事を、子ども達の育ちの契機として大切にしている。これらの行事は、大きな枠組みは園側が提示しつつも、内容に関しては子ども達と教師が一緒に考え作り上げていく。このような1年間の生活を、子ども達のビデオや写真を交えながら紹介していきたい。
栃木県:
井上高光(さつき幼稚園教諭)
テーマ:
「じゃれつき遊びの実践」について
当園は、1978年に開園した。開園以来一年中冷水摩擦を実施してきたが、宇都宮市は当時11月になると急速に寒さが増し、園児が泣きながら「冷水摩擦嫌だ!」「幼稚園行きたくない!」と親に訴えて大きな問題となっていた。対策として「体の芯から温めるために、冷水摩擦前に暴れてみよう」と始まったのが、お相撲やプロレスごっこのような「じゃれつき遊び」(スキンシップ+遊び)である。「運動能力低下・肥満・目が合わない・愛着未形成・自己肯定感が乏しい」など、現代っ子の心身の大きな問題が1970年代より蓄積されてきた。それが、「東日本大震災」から4年を経過し福島県では一段と顕著になっているという。「じゃれつき遊び」を発見して35年が経過したが、こうした現代っ子の問題克服に「じゃれつき遊び」が役立つことが、1983年から毎年実施してきた「大脳前頭葉調査」(日本体育大学との共同研究)でも実証されている。哺乳類は、幼い頃「じゃれ合って」仲間関係を構築していく姿に見られるが、人間の乳幼児期に相応し遊びであると考える。なお、「じゃれつき遊びの講演と実技」を福島県の5カ所の幼稚園で6月~7月に実施する。『脳を鍛えるじゃれつき遊び』(小学館)が2004年に出版されており、10刷2万部を超えている。『Comon』(主婦の友社)の今年の4月号にも特集されている。
高知県:
西岡優佳(もみのき幼稚園主任)、小路由香理(もみのき幼稚園教諭)
テーマ:
自然の中で子どもの未来を育む
子どもを取り巻く環境が年々厳しくなっている今、園としてできることは何かを考えた。0歳から就学前までの保育教育を行う中で、古き良き時代の子育てのように自然の中での体験により生きる力を培っている。そして、地域の方やお年寄りの方との交流を行い、子どもの未来をきずくものへと変わっていく。そうした思いや考えをもとに保育に取組んでいる。子どもたちの気づきの声に耳を傾け、発見を共有し、自然の中での幸福感を共に体感している。
神奈川地区:
澤井政巳(新大船幼稚園園長)、田中里彩(関東学院のびのびのば園保育教諭)、相馬靖明(和泉短期大学児童福祉学科准教授)
テーマ:
遊びを通しての指導に活かす保育の記録(Pedagogical Documentation)-研修の学びを実践化する-
企業を対象とした研修の学習転移(Transfer of Training)研究では「研修で学んだことの60%から90%は仕事には応用されない」が、研修の学習転移を促す要因として「研修内容の試行について上司のサポートがある・研修直後に試行する機会がある・研修成果の実践化を追跡・評価している・研修内容を実際の仕事に近づける」などが指摘されている。本研究では、上述の研究知見を踏まえて設計された「保育の記録に関する研修(神奈川県幼稚園連合会特別研究B部会2014~2015年度)」について報告する。
神奈川地区:
橘 明子(平和学園幼稚園園長)、所澤保孝(関東学院大学名誉教授)
テーマ:
5才児 水族館づくり-ひとつの活動から育まれる力(表現力・想像力・たくましさ)-
子どもたちの自立(自律)を求め「みんなちがってみんないい」という一人を尊重した保育を大切に実践している。その考えを土台として5才児の特徴、ひとりの個性から育まれてきた力をひとつの活動(水族館)の中で表現する経験をする。水族館を見学する喜びの中に「いっぱいみてきたい」という子どもたちの思いを話し合うと「メモ用紙をもらっていこう、図鑑をもっていこう」と夢が広がります。自分たちがイメージした魚が実際に創ってみると上手くいかないことに葛藤を覚え悩み知恵を出し合う5才児を紹介します。
九州地区(宮崎県):
溝口充子(桜ヶ丘幼稚園園長)、大坪祥子(宮崎学園短期大学保育科准教授)
テーマ:
幼児理解をふまえた保育の質の向上を目指す研修のあり方
子ども達の主体性を育むためには、まず保育者の主体性が求められる。しかし保育現場では、日々多忙な業務に追われ自らの保育や子どもへの関わりを客観的に見つめ振り返る余裕があるだろうか。宮崎市学校法人立幼稚園協会研修部会では、主任会が中心となり保育スキルの向上と幼児理解について学ぶ研修を企画し実践している。子どもの発達・育ちの道筋に寄り添う保育を目指す園内研修・地区研修の実際を発表し、若手保育者が先輩保育者に憧れ、共に学びたいと感じる研修のあり方について議論したい。
福岡県:
鳥越奈々子(ときわ幼稚園主任)、鬼塚良太郎(九州龍谷短期大学保育学科准教授)
テーマ:
保護者の心を開く特別支援
特別な配慮を要する子や気になる子が増えている。保護者と保育者の信頼関係づくりや連携の在り方は、特別支援の大きな課題である。閉ざされた保護者の「心の扉の鍵穴」はそれぞれ異なる為、保育者は、この鍵か?あの鍵か?と、さぐりさぐり「鍵」を捜そうと努力する。具体的な事例を元に、保護者対応の失敗やうまくいった理由を考えることで対応の仕方を考察したい。この考察が、今後、皆様のお役に立てたら幸いである。
大阪地区:
影山佳代(あけぼの幼稚園施設長)、小寺山里美(あけぼのっこ保育園保育主任)、小澤靖子(あけぼのっこ保育園)
テーマ:
布おむつが子どもの自立にどう影響するか
肌に優しく、排尿後の不快を感じさせないというフレーズと共に近年、紙オムツの普及が進んできました。しかし、それによって乳幼児の排泄の自立時期が遅くなってきている現実もあります。また、「紙」オムツといっても実際は石油由来の製品でパルプが用いられているわけではありません。そういったことから自園では平成26年4月~レンタル布おむつに取り組みました。子どもとの愛着関係や自立時期に布おむつがどう影響し、また、布おむつを使用することで本当に子どもは心地よく思うか等について研究しました。
福島県:
吉田美紀(いわき短期大学附属幼稚園教諭)、鈴木まゆみ(いわき短期大学教授)
テーマ:
保育者の「その子」らしさを育む子ども理解の視点-5歳児の個と集団の姿を捉える子ども理解の変容に焦点をあてて-
保育者が日々の保育実践の中で援助を選び取る際には、どのように「その子どもと集団」を理解しているのかが手がかりとなっている。しかし、「その子どもと集団」の姿を捉える時、「自分の子ども理解の枠組みに子ども(たち)をあてはめてしまっているのではないだろうか?」と揺らぎ、不安になる保育者は多いのではないだろうか?本研究は、5歳児T君の育ちを事例として、T君がT君らしく個と集団の中で自分を表現するための援助を模索する保育者の子ども理解の変容に焦点をあてる。その際、保育者の子ども理解の枠組みがその子ども(たち)が必要とする枠組みへと変容するための視点に着目し、保育者の「その子」らしさを引き出すための援助にどのような影響を与えるのかについて分析する。
福島県:
佐藤千恵子(福島愛隣幼稚園副園長)、佐々木美恵(埼玉学院大学臨床心理士)
テーマ:
遊びの環境を通して-東日本大震災後の環境の変化で気づいた事-
本園は、福島県中通り北部に位置している。2011年の震災後の一年間は、外遊びが出来ない環境にあった。その後、表土除去や除染活動等により、時間を制限しての外遊びを再開し、少しずつ震災前の生活に戻りつつある状況に至っている。外遊びを再開してから、今日までの子どもの姿や、様子、保護者との関わり、保育者の援助などを考察し、今後どのような保育や環境が望ましいか、考えていきたい。

口頭発表【II】13:00~14:30

東海北陸地区(富山県):
波岡千穂(堀川幼稚園副園長)、原田由美(いずみ幼稚園教頭)、開 仁志(金沢星稜大学准教授)
テーマ:
保育のリーダーに求められるもの-園の課題を明らかにし解決していく力に着目して-
「保育」の質向上を支えるため、経験を積み幼稚園の中核を担う保育のリーダーを育てることが重要な課題となっています。保育のリーダーには様々なことが求められますが、本研究では、「園の課題を明らかにし解決していく力」に着目しました。そこで、まず園の課題をどう捉えているかについてアンケート調査を行いました。その結果、①園長、②主任(教頭、主幹教諭)、③担任を受けもつ現場のリーダーという立場の違いからくる特徴が明らかになりました。次にその課題に対してどのような解決の方法をとっているのか、具体的な事例を基に考察を深めました。発表では、その成果と今後の課題について報告したいと思います。
東北地区(秋田県):
長谷川望(幼保連携型認定こども園外旭川わんわんこども園研究主任)、山名裕子(秋田大学教育文化学部こども発達・特別支援講座准教授)
テーマ:
協同的なあそびと学び
26年度、27年度と2年間を通して、「協同的なあそびと学び」に関して研究を進めている。27年度は、特に砂場に焦点をあて、そこで展開される様々な主体的なあそびや人とのかかわりを丁寧に記録することによって、子ども一人ひとりの主体的なかかわりと、子ども同士のかかわりが深まる様子から具体的に考えていきたい。またそのような経験を支える教師の援助や環境構成もあわせて事例を通して考えていきたい。
東海北陸地区(石川県):
鮎川 正(木の花幼稚園園長)、大井佳子(北陸学院大学教授)
テーマ:
保育者養成(養成校との協働)
地方の私立幼稚園は人材確保を地域の特定養成校数校に依存する。実習受け入れ、学生懇談会を持つなど私立幼稚園と養成校とは協力関係にあるが、昨今の幼稚園の存在をめぐる地域の情勢変化に応じた保育者の質的量的な確保が困難になりつつある。そこで石川の私立幼稚園協会は園を越えて"今のこの地域の幼稚園"を学生が直接的に体感的に知る「仕掛け」が急務であると考え、従来の幼稚園協会主催の未就園親子対象のイベント(「幼稚園ってどんなとこ?」)に準備から養成校の学生を巻き込み、大学の養成プログラムとリンクさせてここ数年蓄積を重ねてきた。現場の保育者と学生との協働で創ることでイベントも活性化、またこれを経て私立幼稚園に入ってくる学生も増えつつある。保育者養成の在り方について養成校との協働について考えたい。
関東地区(茨城県):
加藤木忍(赤塚幼稚園教頭)、今井和子(元立教女学院短期大学教授)
テーマ:
0、1、2歳児の発達と保育
今年度からスタートした子ども子育て支援新制度に伴い、幼保連携型認定こども園など、3歳未満児を受け入れる園が多くなりました。更に「0、1、2歳児を知らずして3歳児を語るなかれ」という声も聞こえてきます。今だからこそ、0、1、2歳児の育ちにスポットを当て、参加者が映像を通して同じ保育、同じ子どもの行動を見て、自由に話し合いながら、乳幼児理解を深めていきましょう。3歳未満児を受け入れていない園の先生方も一緒に0、1、2歳児の育ちを学び、3歳児の発達へとつなげていく手がかりにしてみませんか。
中国地区(山口県):
安武 香(認定こども園岩国東幼稚園教頭)、浅井拓久也(近畿大学豊岡短期大学講師)、藤永麻希(認定こども園岩国東幼稚園)
テーマ:
幼児の『いま・ここ』に息づく気付きを育む保育活動の試み-「気付き」の視点から、後伸びする幼・小の学びを具体化する保育活動のストラテジー-
どこまでも伸びようとする芽をどの子どもももっている。どこまでも伸びたいと切に願う芽がどの子にもある。しかし、この無限の可能性を秘めた子どもの芽は、放っておいたら双葉すら広げることができないかもしれない。大切にされなければ、じき、しおれてしまうだろう。では、子どもの芽は、どんなときに伸びるのか。それは、「確かな保育者の眼」に出会ったときである。本園では、幼児の『いま・ここ』に息づく「気付き」と、それを見抜く「保育者の眼」に視点を当て、幼・小の学びをつなぐ保育活動の新たな保育ストラテジーに迫りたい。
四国地区(香川県):
山之内美紀(香川短期大学附属幼稚園教諭)、常田美穂(香川短期大学子ども学科講師)
テーマ:
ポートフォリオの取り組みを始めて見えてきたことと保護者との連携について
平成27年度からポートフォリオの取り組みを開始するために、前年度は保育記録に写真を活用しながら、どのようにポートフォリオを進めていくかについて記録をもとに話し合い理解を深めてきた。4月にはその取り組み方や保護者との連携の仕方について共通理解を図り開始に備えた。まだ取り組みを始めたばかりではあるが、継続していくために必要なことはどのようなことか等見えてきたことについて保護者アンケートも含めて考察したい。
神奈川県:
本田俊章(つくの幼稚園理事長)、水谷彩子(つくの幼稚園教諭)
テーマ:
子どもの育ちの物語-遊びの中の援助を探る-
子どもの遊びには、幼児の成長や発達にとって重要な経験が多く含まれ、自ら周囲のものと関わって遊ぶその中で、幼児は様々なことを総合的に学んでいます。横浜市幼稚園協会の特別研究委員会2では夢中になり遊びを展開している子どもの姿を追い、保育者の援助のあり方を話し合ってきました。子どもが何を感じて、どの様にモノやヒトと関わり何を学んでいるのかを議論し、どの様な援助が必要なのか考えてきました。今回の発表では年長児の一人の女の子の事例を通して保育者の援助のあり方について考察したことを発表します。
近畿地区(兵庫県):
秦 賢志(幼保連携認定こども園はまようちえんディレクター)、岡 紗也子(幼保連携認定こども園はまようちえん保育教諭)
テーマ:
保育の質を高めるためのチームづくり
はまようちえんでは、保育の質向上に最も大切な要素は「保育者相互の関係性」を良くすることと考えている。本発表では、本園が十数年かけて行ってきた「チームづくり」の経歴をまず簡単に報告し、現在のチームメンバーは今、チームをどのように捉えて日々仕事に取り組んでいるのかを問いかけ、質の高い保育を可能にするチームの条件を参加者の皆さんとともに考えたい。
佐賀県:
山崎奈々美(高岸幼稚園教諭)、田中康平(高岸幼稚園講師)
テーマ:
年長児におけるキー・コンピテンシーの育成とICT活用
平成26年度より「ICTタイム」という活動を取り入れ、年長クラスにおける新たなカリキュラム開発に取り組んでいる。OECDが2003年に提唱した「キー・コンピテンシー」の育成を念頭に、人間関係形成やツールを相互作用的に用いる力のなどの育成を目的とし、タブレット端末等ICTの活用も含めた協働的な活動に取り組んでいる。指導案の作成と省察を繰り返し、園児の実態把握と、カリキュラムの最適化に努めている。
東京地区:
永田陽子(大和郷幼稚園園長)、平田嘉史(府中白糸台幼稚園副園長)、岡 健(大妻女子大学教授)
テーマ:
地区における公開保育コーディネーター養成カリキュラムの開発
機構で推進している公開保育コーディネーターの養成は地区会に任されているが、よりよい養成のためのカリキュラムを東京地区会として開発する。また、このカリキュラムの開発を通して、幼児教育の質の向上のために相互に高め合う機会としていきたい。
大阪地区:
大下祐加・明石恵里佳・松村里歩・安達かえで(せんりひじり幼稚園教諭)、岡 健(大妻女子大学教授)
テーマ:
お店屋さんプロジェクトを通して育つ5歳児の主体性
5歳児お店屋さんプロジェクトでは「自分の考えを伝え友達の考えや気持ちを感じながら話し合う力」、「素材にこだわって試行錯誤しながらモノづくりをする力」、「知恵を出し合いお店を形作っていく企画力」、「役割を分けて全体で運営することを考える力」、「振り返って話し合い、良いものに変えていこうとする力」等様々な育ちを見ることができる。「話し合い」「製作」「企画」「運営」「振り返り」等の子どもの主体的な活動を通して育つ力が、今後どのような力につながっていくのか。今求められている「アクティブラーニング」や「汎用的学力」にどうつながっていくのかを考察したい。
大阪地区:
認定こども園日吉幼稚園、梅﨑高行(甲南女子大学人間科学部総合こども学科准教授)
テーマ:
発達を踏まえた保育実践-3歳児を対象として-
ここ数年、本園で取り組んできたプロジェクト・アプローチは、〔子ども—職員〕間の理解も広まり、一定の成果を上げつつある。一方、各プロジェクトが子どもの発達に応じた展開となっているかについては、依然、問うべき点も多い。そこで本研究では、入園児を卒園までフォローし、その実践を省察することを通して、発達を踏まえた保育実践について問い直すことを目指す。
福島県:
今泉千佳子(尚志緑ケ丘幼稚園主任)、中村和彦(山梨大学教育人間科学部長、山梨大学大学院教育学研究科長、教授)
テーマ:
幼児期における運動遊びの重要性
東日本大震災以降私たちは、屋内での運動遊びの工夫や制限された短い時間での戸外遊びの工夫に取り組んできた。震災後5年目を迎え少しずつ落ち着いてきた現在、震災前と比較して「子どもたちの遊びの変化や身体の変化」が感じられる。以前にも実施した万歩計測定の運動量(歩数)調査や家庭での生活状況把握のアンケート等の再調査をし、幼児期の体力低下の改善を図りたい。園だけでなく家庭へ発信し、親子で楽しめる運動遊びにつながる保育実践に取り組んでいる。
福島県:
伊藤ちはる(福島めばえ幼稚園副園長)、本多 環(福島大学)
テーマ:
東日本大震災後の保育と保護者支援-現状と課題-
震災後、放射能汚染により日常を奪われた子どもの生活と遊びを守る保育を余儀なくされた福島県。2011年から時の流れとともに、子どもの姿、保護者の心理、課題がどんどん変化している。子どもや保護者とともに生活し、支援する立場としての幼稚園のあり方や子どもの成長を促す環境や保育内容を探る。