（1）平成26・27年度「教育研究課題」の周知ならびに研修俯瞰図の検討

平成26・27年度「教育研究課題」の周知を図るとともに、平成17年度に作成した「保育者としての資質向上研修俯瞰図」について検討チームを立ち上げ検討行い、研修俯瞰図の改訂案を作成した。

（2）幼稚園における学校評価の完全実施に向けた事業の企画・検討

昨年度に引き続き、文部科学省委託事業「平成26年度幼児教育の改善・充実の調査研究」について企画・検討を行い、公開保育を実施し、評価者や参加者の外部の視点を導入することよって自園の良さや課題を見つけていくこと等により第三者評価としての役割を果たすことを目指す「公開保育コーディネーター養成講座」を企画実施した。
今年度の受講者は全国から約80名。事前講義として平成26年6月20日に東京・グランドヒル市ヶ谷において岡健大妻女子大学教授による講義を行った。公開保育、保育後振り返り、ワークショップについては各地区で取り組み、平成27年1月21日、22日に京都・京都ガーデンパレスにおいて養成講座を開催して全過程を終了した。

北海道地区＝〔公開保育〕10月3日（北海道・西野第2桜幼稚園）、

〔ワークショップ〕12月5日（北海道・西野第2桜幼稚園）

東北地区＝〔公開保育〕10月17日（秋田県・土崎幼稚園）、

〔ワークショップ〕10月18日（秋田県・山王幼稚園）

関東地区＝〔公開保育〕11月22日（神奈川県・宮前幼稚園）、

〔ワークショップ〕平成27年1月10日（東京都・アルカディア市ヶ谷）

神奈川地区＝〔公開保育〕11月22日（神奈川県・宮前幼稚園）、

〔ワークショップ〕12月12日（神奈川県・宮前幼稚園）

東京地区＝〔公開保育〕11月12日（東京都・多摩みゆき幼稚園）、

〔ワークショップ〕11月18日（東京都・多摩みゆき幼稚園）

東海北陸地区＝〔公開保育〕9月26日（静岡県・静岡豊田幼稚園）、

〔ワークショップ〕10月22日（静岡県・静岡県私学会館）

近畿・大阪地区＝〔公開保育〕11月10日（大阪府・新光明池幼稚園）、

〔ワークショップ〕11月19日（大阪府・新光明池幼稚園）

中国地区＝〔公開保育〕8月21日（広島県・かえで幼稚園）、10月26日（山口県・旭幼稚園）、

〔ワークショップ〕未開催

四国地区＝〔公開保育〕11月18日（徳島県・わかくさ幼稚園）、

〔ワークショップ〕11月18日（徳島県・わかくさ幼稚園）

九州地区＝〔公開保育〕平成27年1月17日（宮崎県・東幼稚園）、

〔ワークショップ〕平成27年1月21日（京都府・京都ガーデンパレス）

（3）免許状更新講習等についての企画・検討

• 文部科学大臣の認定を受け、平成26年度は全国で94講習（必修19講習、選択75講習）を実施。延べ人数7,956人が受講した。
• 本財団独自事業として、7月19日・20日、12月20・21日の2回、東京都千代田区において免許状更新講習必修講習を開催した。

（4）「幼児教育実践学会」の実施

平成26年8月22日（金）・23日（土）に「第5回幼児教育実践学会」を開催。東京都千代田区において、1日目は砂防会館、2日目は千代田女学園を会場に開催。約500名の参加を得た。開会式では、本財団「優秀教員表彰」制度において選定された9人に対し表彰式が行われた。基調講演は、十文字学園女子大学理事・特任教授、お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子氏より、「どの子も伸びる援助－子どもの創造的想像力を育む保育者の役割－」をテーマに講演を行った。また、「園内研修の活性化」をテーマに、企画・コーディネーターに玉川大学教授・四季の森幼稚園園長の若月芳浩氏、港北幼稚園主任・伊藤幸子氏、鶴岡幼稚園教諭・柴田裕子氏、四季の森幼稚園教諭・北原昇氏をパネラーにシンポジウムを行った。2日目は千代田女学園を会場に、午前の口頭発表Iでは7発表、午後の口頭発表IIでは8発表が行われた。また昼食の時間と並行して、28のポスター発表が行われた。

（5）園長研修の企画・検討

全国の幼稚園・認定こども園の園長等を対象とした研修について、教育のリーダーとして必要な内容について研修内容等について検討を行い、カリキュラム案を作成した。

（6）全国研究研修の推進

①全国研究研修担当者会議の開催

1月21日・22日の両日、京都府京都市の京都ガーデンパレスにおいて、「平成26年度全国研究研修担当者会議」が開催。あわせて公開保育コーディネーター養成講座も開催し、全国から養成講座の受講者と都道府県研究研修担当者等あわせて140名の先生方が出席した。1日目は「研究研修委員会の取り組み」について安達譲・（公財）全日私幼研究機構研究研修委員長から報告を行った。記念講演では「乳幼児期の発達と保育」をテーマに山梨大学教授の加藤繁美氏が講演を行った。 次に、秦賢志研究研修委員会協力委員をコーディネーターに公開保育コーディネーター養成講座が行われ、宮下友美恵研究研修委員、岡本潤子研究研修委員会専門委員からの実践事例をもとに行なわれた。2日目は岡健大妻女子大学教授を講師に講義やワークショップが行われた。

②地区教育研修大会の実施

北海道地区＝7月31日・8月1日（北海道・札幌市）

札幌ブロック：10月3日・4日（札幌市）
道央ブロック：8月30日（余市町、岩内町、倶知安町）
道北ブロック：9月27日（留萌市、羽幌町）
道東ブロック：10月4日（北見市）
道南ブロック：10月11日（えりも町、新ひだか町、厚賀町、浦河町、むかわ町）

東北地区＝10月17日（秋田県・秋田市）
関東地区・神奈川地区＝8月18日・19日（栃木県・宇都宮市）
東京地区＝7月23日・24日（東京都・千代田区）
東海・北陸地区＝8月7日・8日（石川県・金沢市）
近畿地区・大阪地区＝7月24日・25日（滋賀県・大津市）
中国地区＝8月21日・22日（岡山県・岡山市）
四国地区＝8月4日・5日（香川県・高松市）
九州地区＝8月5日・6日（宮崎県・宮崎市）

③地方の教育研修体制のサポート

各地域における教育研修体制のサポートについて検討を行い、各都道府県における研修会に対しての助成事業を行った。

（7）「研修ハンドブック」の活用周知・頒布

幼稚園における学校評価に伴い、各教員の研修履歴等が残せるよう「保育者としての資質向上研修俯瞰図」にもとづき、「研修ハンドブック」の周知・活用について検討を行った。

（8）「いのちを大切にする日」への取組み

命の貴さに向き合うなかで命あることに感謝すると共に、3月11日の出来事に思いを寄せる日を制定し各地域・各園での取組みを奨励した。

（1）乳幼児期の子育ち環境のあり方の研究

乳児も含めた小学校入学前の子どもの育ちにとって、本当に必要な環境とは何かについて研究を行った。また、幼稚園の環境として砂場に焦点を当て、遊びの中での行動や人間関係、言葉の発達などについて調査し、子どもの育ちの視覚化を図った。

（2）幼児教育実践事例研究

各都道府県、各地区等で研究されている実践事例について、幼児教育実践学会において口頭発表ならびにポスター発表で研究発表を行い、その研究発表概要を私幼時報に毎号掲載した。

（3）5歳児が幼稚園にいることの意味を考える

「5歳児が最年長であるがゆえに育つこと」、についての実践研究にあたっては、今後仮説をたてて検討していきたい。

（4）幼稚園教育の改善・充実調査研究委託事業

幼稚園における喫緊の課題である「乳児の育ちと満3歳児保育の在り方」「預かり保育の課題と見直し」についての調査研究を公募・選考し委託事業の実施について検討を行った。

（5）幼稚園における特別支援教育の充実に関する調査研究

幼稚園における特別支援教育の充実に関し、関係機関と協力し個別の教育支援計画と指導計画の立案等について調査研究し、その周知に努めたい。

（6）学校評価

昨年に引き続きコーディネーターの養成と公開保育を活用した学校評価実施支援システムの充実を図りながら学校評価実施支援の一環として学校関係者評価を活性化し、理解されにくい幼児教育の質や成果について保護者や地域社会と共有し、結果として教育の質の向上を支援する仕組みとなるよう実施・検討を行いながら自己評価ならびに学校関係者評価の実施率向上についても検討を行った。また、「私立幼稚園における学校評価実施支援システムに関する研究報告書－教育の質の向上を支援する関係者評価－」、「公開保育コーディネーター（評価者）ハンドブック（改訂版）」「公開保育を活用した第三者評価　公開園実施ガイド」を作成した。

（7）東日本大震災への対応

本財団で企画・制作した記録映像を用いて、東日本大震災で被災された私立幼稚園の復興への取り組みについてを各地区の研修会等で取り上げた。また、「『証言』幼稚園の保育者が語る東日本大震災」福島編の企画・制作した。

（1）PTAしんぶんの発行

PTAしんぶんでは「子どものしあわせを願う親と先生のひろば」をスローガンに、幼児教育や幼児の発育・子育てに役立つ情報等を掲載した。4月号は全国の私立幼稚園全園児に対して配付を行い、安倍晋三内閣総理大臣からのメッセージも掲載した。
毎号、有名人の子育て体験や幼稚園体験、子育てにかかる学識経験者からのコメント、子育てのヒント、全国の園長等が執筆する「育ての心」「ふれあい」などのコラムも掲載した。

（2）賛助会員の加入促進

積極的に働きかけて、賛助会員の加入促進に努めて前年度より会員数を増やすことができた。

（3）私幼時報の発行

子ども・子育て支援新制度、政府予算概要、乳幼児教育国際シンポジウム報告、地区教研大会などの研修大会の内容、免許状更新講習一覧、第5回幼児教育実践学会の口頭発表・ポスター発表の概要等を掲載するなどの情報提供を行った。

（4）ホームページを活用した広報活動

ホームページを活用して、幼児教育に携わる者、子育て中の保護者などに向けて、子育ての大切さや尊さを訴えていくとともに、幼児教育に関わる必要な情報提供の更なる充実について検討を行っている。また、ホームページに関する小委員会を設置して、利用者の目的に合わせて見やすく使いやすいホームページを目指してリニューアルについて検討を行い、新ホームページ「私立幼稚園.com」を開設した。

（5）調査の実施

幼稚園制度検討会議から「現代の子どもの生活調査」について調査の要請を受け、27年度における検討事項とした。

（6）幼児教育の発展に寄与する絵本の顕彰

第6回ようちえん絵本大賞は、「新しい絵本をみつけよう」をテーマに、いろいろなジャンルから、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんにお勧めしたい絵本"を選考の基準として、最近出版された絵本の中から調査広報委員会が選考を行った。その結果、特別賞3作品を含む14冊の絵本が第6回ようちえん絵本大賞に選ばれた。

【（公財）全日私幼研究機構理事長賞】ちきゅうがウンチだらけにならないわけ（福音館書店）、【調査広報委員長賞】シニガミさん（えほんの杜）、【こどもがまんなかPROJECT賞】へいわってすてきだね（ブロンズ新社）、ちょっとだけまいご（BL出版）、よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃ（ひさかたチャイルド）、くねくねさんのいちにち　きょうはマラカスのひ（福音館書店）、ぼくのニセモノをつくるには（ブロンズ新社）、どんぐり（光村教育図書）、ぞうくんのおおかぜさんぽ（福音館書店）、おうさまのおひっこし（福音館書店）、いやっ！（ブロンズ新社）、わたしはあかねこ（文溪堂）、ゆきがふる（ブロンズ新社）、いくらなんでもいくらくん（イースト・プレス）

（7）こどもがまんなかPROJECT推進のための広報活動

PTAしんぶん、私幼時報、ホームページ等において、「こどもがまんなかPROJECT」にかかる記事の掲載や告知を行うなどして、こどもがまんなかPROJECT推進のための広報活動を行った。

平成27年2月22日（日）に開催された乳幼児保育実践政策学シンポジウム「北欧諸国における乳幼児教育から小学校教育への連続性」、3月16日（月）に開催された乳幼児保育実践政策学シンポジウム「幼児教育における学びを支えるリーダーシップの育成」に協力・後援し、役員等を派遣した。また、昨年度行われた乳幼児教育国際シンポジウム「保育実践政策学の創成」の報告を私幼時報に毎月掲載した。

（1）各都道府県団体との連携強化

各都道府県団体と連携を図りながら上記の事業に取組み、成果を得られた。

平成26年度事業報告には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則第34条第3項に規定する「事業報告の内容を補足する重要な事項」が存在しないので作成しない。