一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構
平成24年度
(1)幼児教育にかかわる者の資質向上に関する事業
幼稚園における学校評価の完全実施に向けた事業の企画・検討
- 文部科学省委託幼児教育の改善・充実調査研究「幼稚園における学校評価の推進」 の受託・交付決定を得、検討協議を重ね、「私立幼稚園のための学校評価ハンドブック」、「私立幼稚園における学校評価実施支援システム」の報告書を作成した。
教員免許更新制の導入に伴う、免許状更新講習等についての企画・検討・実施
- 文部科学大臣の認定を受け、平成24年度は、全国で免許状更新講習91講習を開催し、6,492人が受講した。
- 本財団独自事業として、東京都千代田区(2回)で免許状更新講習必修講習を開催した。
- 免許状更新講習必修カリキュラムの作成及びプログラム化について検討協議を行なった。
- 平成24年度「免許状更新講習」事業精算費を各都道府県私幼団体へ支出した。
平成26・27年度「教育研究課題」の検討
平成26・27年度「教育研究課題」について検討した。
「幼児教育実践学会」の企画・検討・実施
平成24年8月23日(木)・24日(金)、東京都板橋区・東京家政大学板橋キャンパスを会場に全国から約400人の参加者を得て、第3回「幼児教育実践学会」を開催。学会初日は開会式の後、本財団「平成23年度優秀教員表彰」の表彰式が行なわれました。続いて、基調講演「保育を振り返るためのエピソード記述-保育の質の向上を目指して-」を演題に、鯨岡峻・中京大学教授が講演を行った。また、学会企画シンポジウム「自園の事例研究の在り方-日常のケース会議から-」を演題に、【事例報告】瀧澤花恵・ちぐさ幼稚園教諭(群馬県)、大塚恵理・ちぐさ幼稚園教諭(群馬県)、丸山由希子・須賀白百合幼稚園主任教諭(埼玉県)【アドバイザー】岡健・大妻女子大学家政学部児童学科教授。2日目は、口頭発表13発表(東北地区1(岩手県)、東京地区1、神奈川県1、東海・北陸地区1(岐阜県)、愛知県1、近畿地区1(和歌山県)、大阪地区3、中国地区1(鳥取県)、四国地区1(徳島県)、九州地区1(鹿児島県)、福岡県1)、ポスター発表20発表(青森県1、福島県4、群馬県1、千葉県1、東京都1、神奈川県2、京都府2、兵庫県2、大阪府2、福岡県1、熊本県1、長崎県1)が行なわれた。続いて、学会企画ワークショップ「思いを出し合える、分かち合える園内の関係づくり-ファシリテーターとしての役割」を演題に秦賢志・浜幼稚園ディレクターによるワークショップが行なわれた。また、学会企画シンポジウム②「保育の質-広く、深く、ていねいに」を演題に【パネリスト】黒田秀樹・研究研修副委員長、加藤篤彦・研究研修委員、濱名浩・研究研修委員、乾盛夫・研究研修委員【コーディネーター】四ツ釡雅彦・研究研修副委員長によるシンポジウムが行なわれた。
全国研究研修担当者会議の開催
平成25年1月24日(木)・25日(金)の両日、京都市の京都ガーデンパレスを会場に119人の都道府県教育担当者らの参加を得て開催。1日目は報告「研究研修委員会の取り組み」について安達譲・(財)全日私幼研究機構研究研修委員長が報告を行った。続いて、記念講演「育ち合う保育臨床-親と子の心を支える保育実践」を演題に肥後功一・島根大学理事・副学長が講演を行った。続いて、シンポジウム「縦断研究のスタート」を演題にパネルディスカッションを行った。パネリスト:河邉貴子・聖心女子大学教授、東重満・(財)全日私幼研究機構縦断研究チーム座長、平林祥・(財)全日私幼研究機構縦断研究チーム、コーディネーター:黒田秀樹・(財)全日私幼研究機構研究研修副委員長。続いて、グループディスカッションとして「研修会の取組事例」の発表等を行った。また、「震災記録映像」について田中雅道・(財)全日私幼研究機構理事長から報告が行われた。2日目は、講演(ワークショップ)「記述的エピソード法を用いた園内研修の試み」を演題に今村光章・岐阜大学教育学部准教授がワークショップを行った。
「研修ハンドブック」の活用周知・頒布
幼稚園における学校評価に伴い、各教員の研修履歴等が残せるよう「保育者としての資質向上研修俯瞰図」にもとづき、「研修ハンドブック」の周知・活用を行なった。
優秀教員表彰者制度の実施
本財団「優秀教員表彰者」制度の要項等に従い表彰者を8人選定した。
第28回設置者・園長全国研修大会における研究講座(分科会)の企画・実施
本委員会として、第28回設置者・園長全国研修大会(千葉県千葉市)にて研究講座(分科会)を企画・実施した。
平成24年度地区教研大会の開催
- 北海道地区=全体会:8月2日・3日(札幌市)
- 札幌ブロック:10月19日・10月20日(札幌市)
道央ブロック:8月25日(岩見市)
道南ブロック:10月6日(伊達市、室蘭市、洞爺湖町)
道北ブロック:10月13日(士別市)
道東ブロック:10月6日(帯広市)
東北地区=10月19日・20日(青森県・弘前市)
関東地区=8月2日・3日(神奈川県・横浜市)
東京地区=7月25日・26日(東京都・千代田区)
東海・北陸地区=7月26日・27日(愛知県・名古屋市)
近畿地区・大阪地区=7月26日・27日(奈良県・奈良市)
中国地区=8月20日・21日(島根県・松江市)
四国地区=8月6日・7日(高知県・高知市)
九州地区=8月7日・8日(沖縄県・宜野湾市、那覇市)
(2)当財団が取り組む幼児教育に関する調査及び研究
幼児教育実践事例研究
第3回幼児教育実践学会にて研究発表を行なった。
学校評価
文部科学省委託幼児教育の改善・充実調査研究「幼稚園における学校評価の推進」の受託・交付決定を得、検討協議を重ね、「私立幼稚園のための学校評価ハンドブック」、「私立幼稚園における学校評価実施支援システム」の報告書を作成した。
東日本大震災が幼児に与えた影響や課題等に関する調査研究事業の企画・検討
- 大津波により甚大な被害を受けた沿岸部の幼稚園の先生方の生の声を集録した証言記録DVD「『証言』幼稚園の保育者が語る東日本大震災」岩手県編(34分)、宮城県編(39分)を企画・制作した。また、インタビュー内容の全編をブックレット「証言完全記録」を作成し、DVDの付録とした。
- 東日本大震災幼稚園記録DVDの活用について検討を行ない、記録映像「いつもの幼稚園に戻ること-2011年岩手県大槌町-」(60分)、「いつもの幼稚園-震災が子どもに与えた影響-」(23分)、「『証言』幼稚園の保育者が語る東日本大震災」岩手県編(34分)、宮城県編(39分)の利用の手引きを作成した。
(3)幼児教育の発展ならびに家庭・地域における教育力の向上に関する広報活動
情報紙等の発行
PTAしんぶんでは「子どものしあわせを願う親と先生のひろば」をスローガンに、有名人の子育て体験や幼稚園体験などを掲載して保護者に向けて子育てのヒントなど掲載。各都道府県団体交代で「育ての心」「ふれあい」というコラムを執筆いただいた。
私幼時報では東日本大震災関連の情報発信を行なうとともに、3月号では、「東日本大震災から2年を経て」と題した特集を掲載した。また、免許状更新講習の認定一覧を掲載するなどの情報提供を行なった。
「こどもがまんなかPROJECT」の一環として特集など企画し、こどもがまんなかPROJECTの周知、意識向上に努めた。
調査の実施
都道府県団体事務局でのインターネット利用に関するアンケート調査を実施し、各都道府県団体事務局におけるIT環境やインターネットの利用に関する実態について調査を行い、今後インターネットを利用した事務局体制の確立のための検討を行った。
幼児教育の発展に寄与する絵本の顕彰
第4回ようちえん絵本大賞は、「新しい絵本をみつけよう」をテーマに、"子どもに読み聞かせたい絵本"、"お父さん・お母さんに読んでほしい・お勧めしたい絵本"を選考の基準として、最近出版された絵本の中から広報委員会が選考を行なった。その結果、特別賞3作品を含む15冊の絵本が第4回ようちえん絵本大賞に選ばれた。【(公財)全日私幼研究機構理事長賞】おへそのあな(BL出版)、【調査広報委員長賞】あかにんじゃ(岩崎書店)、【こどもがまんなかPROJECT賞】新幹線のたび-はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断(講談社)、おおきくなるっていうことは(童心社)、まじょのほうき(ハッピーオウル社)、しろくまのパンツ(ブロンズ新社)、おいしいおと(福音館書店)、ふゆじたくのおみせ(福音館書店)、つんつくせんせいと いたずらぶんぶん(フレーベル館)、うどんのうーやん(ブロンズ新社)、ぞうくんのあめふりさんぽ(福音館書店)、新世界へ(偕成社)、小学館の図鑑NEO+くらべる図鑑(小学館)、ねこガム(福音館書店)、なるほど忍者大図鑑(国土社)
(4)幼児教育における国際交流等に関する事業
幼児教育における国際交流等に関する事業
平成25年3月30日(土)に開催された幼児教育国際シンポジウム「東アジアの幼児教育改革動向-韓国・台湾の乳幼児教育改革に学ぶ-」に協力・後援し、役員等を派遣した。
(5)「いのちを大切にする日」への取組み
幼児教育における国際交流等に関する事業
命の貴さに向き合うなかで命あることに感謝すると共に、3月11日の出来事に思いを寄せる日を制定し各地域・各園での取組みを奨励した。
(6)本財団の組織・運営に関する事項
公益財団法人への移行
かねてより検討を重ねてきた本財団の公益財団法人への移行については、平成24年10月17日に内閣府へ移行認定申請を行なった。その結果、本財団の事業内容の公益性が認められ、内閣総理大臣より公益財団法人として認定を受けた。これにより、「公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構」として、平成25年4月1日に移行登記を行ない、公益財団法人として新たな一歩を踏み出した。