こどもがまんなかしんぶん
子育てQ&A
Q1.あそびの仲間に入れてもらえなくて、幼稚園にいきたくないというのですが。
A1. |
子どもの世界もなかなかきびしいところがあります。幼稚園に慣れて友だち関係が深まってくれば、あそびも楽しくなってきます。楽しそうにあそんでいるところへ「入れて」と仲間に入ろうとしたら「だめ」という返事もきます。これをすぐに仲間はずれとかイジメととらえることはできません。 「誰とでも仲良く」とか「みんな仲間に入れて」とおとなは考えますが、子どもはあそびの中でイメージをふくらませて生き生きとあそんでいるところへ、外来者が入ることでイメージが崩れてしまう、そんなことを察知して「だめ」という言葉が出てくるときもあります。 しかし、忘れることができるのも子どもの特徴です。このような人間関係も次の日にはガラッと変わったりもします。 多くは子ども自身が保育者の援助を得ながら解決策を見つけていきます。こういうことを乗り越えることが心の成長へとつながっていくのです。 |
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Q2.いつも家に帰ってきたときに、誰かにいじめられたと言うのですが?
A2. |
お子さんにとって幼稚園は、たくさんの子どもたちとはじめてふれあう未体験ゾーンです。大勢兄弟や姉妹がいる家庭では、オモチャの取り合いやケンカは日常的におきることですが、現在のように少子化が進むと周囲にあそぶ友だちがいなくて、何不自由なくおとなの中で育ち、そのような経験をまったくしないまま集団生活を体験することになります。 そのような子どもたちの集団ですから、思うようにならなかった時の相手との力関係をいじめられたと感じている場合が多いのです。園の先生も「友だちと上手にかかわれるように」「子ども同士、思いやりをもってあそべるように」「生きるためのたくましい力がつきますように」等…。子どもたちの成長を願って頑張っています。 お母さんとしては冷静に子どもの話を聞き、担任の先生との連携を密にして、成長過程で遭遇した障害物をお子さんが乗り越えるのを陰からお手伝いしてあげてください。親がすべての障害物を取り払ってしまったら、お子さんに本当の生きる力は付かないと思います。頑張ってください。 |
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Q3.早期教育的な習い事をさせるべきでしょうか?
A3. |
最近脳の研究が進み、幼児期に大脳が飛躍的に発達することが分かってきて、幼児期からの習い事(算数教室、英語教室等)が大はやりです。 この時期の子どもたちに学ぶことを強制すれば、その子の知力は一見早くから発達するように見えます。しかし、いくら知識があるように見えてもこの時期に育てられるべき、いわゆる自発性が育っていない子どもは、結局おとなになってからどこか弱い人間になってしまいます。そして、本当の思考力というのも、この自発性の裏付けがなければその力に限界があります。 自発性というのは、自分で考え、自分で行動する力です。この力が育つためには幼児期に頭のてっぺんから足の先まで、五感をフルに使って、思いっきりあそぶことが大事です。あそびをとおしていろいろなことを実際に体験することが必要です。その中には、失敗の体験も含まれます。むしろ、失敗をして、それを切りぬけたという体験が自発性を育てるのに最も役立っていると思います。 |
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Q4.母親のわたし自身が人づきあいが苦手で、むしろそれを負担に感じる性格です。この性格はわが子の友だち作りに影響を及ぼすのでしょうか?
A4. |
結論を先に言えば、(決定的な意味で言うのではないのですが)あなたのお子さんの友だち作りに影響がないとは言えません。 親の役目とは何かを改めて考えてみてください。あなたのお子さんもいつの日にか家を離れ、厳しい人間社会の中を自分の判断力と力で生きていくことになります。そのために、親の役目としてわが子の中に育てておかなければならないのは次の2点です。 ①自分自身に対する自信と他人への信頼感 あなたのお子さんの基本的な信頼感の育ち、さらには友人を含むあらゆる他者と上手につきあえるようになれるかは、お母さんの性格が微妙に影響を与えます。 それはお母さんが人づきあいの上手な子どもは、友だち作りが上手な場合が多いのです。 「性格」の克服は相当に困難なことだと言われています。しかし、お子さんのためだけでなく、あなたご自身にとっても、ご自分の苦手な人づきあいが上手にできるような努力をなさったらいかがでしょうか。現在さらには将来において自分のしあわせを見つけ、それを築きあげるためのポイントは人間関係だと思います。 |
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Q5.子どもの生活のリズムって?
A5. | 幼稚園で生活する子どもは、あそびの中でさまざまなことを学びます。「学ぶということは、変わるということです」という言葉がありますが、幼稚園での子どもの様子を間近で見ながら、この言葉にうなずくことがよくあります。 ご家庭で自由に生活していた子どもにとって、幼稚園での集団生活は、「こんなはずじゃなかったのに」の連続でしょう。けれどもその思いの中で、子どもは集団生活のルールに気付いていきます。そして同時に、子どもは、集団生活における自分なりの生活のリズムを身につけてきます。家庭から幼稚園への第一歩となる1学期(4月~7月)は、そんなリズム作りの時期です。入園・進級で出会い、1学期を共に生活した幼稚園の担任の先生は、この4カ月間の子どもの変化にびっくりさせられ通しです。 そんな先生方にとって、ちょっと心配なのが、幼稚園がお休みになる日、特にお休みの続く夏休みです。せっかく身についた生活のリズムが、跡形もなく消えてしまった。そんなこともあります。 夏休みは、子どもにとってお楽しみの時です。あまり厳しい生活のきまりを強いる必要はありません。むしろ「お休みだから」というゆったりとした気持ちで子どもを受けとめて、「お休みの間、子どもは先生のいない幼稚園に通っているんだ」というつもりで、むしろ私たちおとな自身が、子どもと共に、日常の生活のリズムを見失わない生活を送ることが大切ではないでしょうか。 |
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Q6.トイレのしつけや衣服の着脱が心配です。
A6. | 近年、3歳児からの入園が多くなり、入園後トイレがうまくできるか心配だとおっしゃるお母さんが増えてきました。 また、衣服の着脱についてですが、まず、衣服は着やすく、ボタン等は子どもの目の届くところにあって、はめはずしのしやすいものを選ぶようにしましょう。 衣服の着かたや脱ぎかたをゆっくり教えてあげて、あとはお母さんの手出し、口出しは控えめにしたいものです。ボタン1個はめられるようになるだけで大きな自信になり、他のことにも、よい影響がでてきます。 |
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Q7.言葉の発達が遅れているようで心配です。
A7. | 保護者から言葉が遅いので心配です、という相談を受けたり、3歳になっても言葉を使ったコミュニケーションができない子どもに出会ったりします。そんなとき、なぜかなと考えます。例えば耳が聞こえない等の機能的障害、発達的問題としての言葉の障害、コミュニケーションの在り方の問題など、さまざまな原因がありますので、その原因を探ることから始めます。 一番先にすることは、保護者の方とお話しすることです。まず、生まれたときからのこと、例えばお乳を飲むとき、お母さんを見て笑いましたかといったことをお聞きします。耳や声帯に問題がなく、発達的にも問題がなければ、コミュニケーションの在り方が問題になります。このケースで、言葉でコミュニケーションをもつ能力が備わっているのに言葉を使わない子どもがいました。その子はお母さんが質問して、お母さんが答えてしまうという生活をしていたので、何も言わずに済んでいたのです。 先生からそのことを気づかされたお母さんが対応を心がけるようにしましたところ、その子は驚くほどに噴水のごとく話し始めました。まずは心配ばかりせずに幼稚園の先生やお医者さんに相談しましょう。幼稚園の先生と密に連絡を取り合いましょう。 |
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Q8.登園時にぐずって遅刻したり、休みたがるのですが。
A8. |
どの子も入園当初一度は「行きたくない」と言うものです。新しい環境に慣れるまでには時間が必要ですし、親と離れることへの不安もあります。しかし、幼稚園に慣れて、楽しさが分かってくると早く行きたくてしかたがないほどになります。早起きの習慣をつけ、登園の支度にゆとりがあるようにしましょう。 幼稚園では楽しいことばかりとは限りません。自分の思いが通らなかったり、けんかなどがあると、子どもなりに知恵を働かせてなんとか休みたいような理由を考えます。体調が悪いときは別ですが、訴えは受け止めてあげても、ぐずっているからといって簡単に言い分を通して欠席させないことも大切です。子どもなりに、壁を乗り越えることも必要です。 幼稚園の楽しさは登園しなければ味わえないのです。仲間や先生と遊ぶ経験を大切にしてください。たいていの場合登園してしまえばケロリとして元気に活動するものです。 |
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Q9.じっとしていられず、すぐ他の子に手を出してしまうのですが。
A9. | 何故?それは生まれてから家の中で何不自由なく生活して、幼稚園に入園すると、遊具を友だちと譲り合って遊んだり、一緒に行動等をしなければならず、それがなかなか理解できず身に付かないからです。 必ずその子から見て、相手が押したとか、遊具を横取りしたとか、遊びたいとか、例え勘違いでも、たいてい何か理由があるのです。そして言葉で上手に伝えることが不得手なので手が出る場合が多いのです。 親として見るに見かねて、お子さんを厳しくビシバシ叱っている光景も見かけます。しかし、そのことが友だちとのトラブルの際、自分が悪いことをして親にビシバシ叱られたときのように、正義の行為として、手が出る原因になっている場合も多いのです。 幼稚園と家庭がしっかり連携をして、ほめるべき時はしっかりほめ、叱るときは根負けせずに繰り返し口で言い聞かせる努力をすることが、一番の対処方法だと思います。 お子さんの元気が良ければ良いなりに、このことは頭痛のタネだと思いますが、お子さんにとってどこかで一度は乗り越えなければならない壁。選んだ幼稚園を信じ、長い目で子育てをしましょう。 |
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Q10.言葉づかいが乱暴で困っているのですが。
A10. | 幼い子どもが乱暴な言葉を使うということに、あまり神経質になることはないでしょう。その場面に適した言葉や言い方をするのではなく、覚えた言葉をいろいろ使ってみたいだけなのです。いってみれば、「言葉遊び」に他ならないのです。 入園後、交友関係が広がってきますと、さらに、言語発達が見られると思います。覚えた言葉は何でも使ってみたくて、良くも悪くも手当り次第に使うようになります。乱暴な言葉を使った時は、無視したりして、あまり関心を示さないほうが良いと思います。そのうち、採りあげてもらえない言葉は興味がなくなるものです。ある程度は長い目で見るつもりでいる必要があります。 ただ、言葉の暴力になるような言葉づかい、汚い言葉、迷惑になる言葉等をひんぱんに使うようでしたら、少しずつ、「その言葉は良くないね」「○○ちゃんが、そう言われたらどう思う」「ママは、その言葉嫌いよ」等と悟してやり『言葉のマナー』に触れていきたいものです。強く叱ることはかえってマイナスだと思います。 |
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Q11.PTA役員に選ばれるのがとても心配です。
A11. |
PTA役員を受けることが「面倒だ…」と感じられる方がいるかもしれません。でも、実際に役員になって失うものは、自由時間のほんの一部であり、むしろこの時間こそが、自分の生活をより豊かにしたり親子の絆をより深めていくことに大いに役立ちます。 役員を受けることによって園や職員に対する親しみも深まり、意思疎通もできるようになりますし、役員同士の仲間作りも欠かせない魅力となります。 でもやはり最大の魅力は、子どもたちの生活を覗く機会が増えるということでしょう。さまざまな行事に参加・運営することで、普段見られない我が子の姿や大勢の子どもたちのはじけるような笑顔に接し、みんなの中で生活する我が子の生の姿に触れることができます。そして何よりも、お父さんやお母さんが幼稚園に来てくれるということが子どもにとってどれだけうれしいことか…。 二度と帰ってこない幼児期に親子共々素晴らしい思い出作りをしていくためにも、ぜひ積極的に役員になられることをお勧めします。必ずや、やってよかったという充実感を味わえると思います。 |
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Q12.新人の先生が担任となり不安を感じています。
A12. | 保護者にとって、わが子がこれから1年間の園生活を共にする担任の先生が誰になるかは大きな問題です。入園式の日、始業式の日のクラス編成発表は興味津々の瞬間でしょう。「やったあー!よかった!」という思いをされた方、「あーあ」と肩を落とした方、さまざまな情景が目に浮かびます。 落胆の思いの原因の一つに、担任が新任の先生だったということがあります。私自身も長男の入園時がそうでした。入園からしばらくすると先生についての不満の声が聞こえてきました。そうしたさ中に保育参観日がありました。とても誠実で丁寧な先生の保育姿勢が感じられる保育の光景に接して、私はほっと胸をなで降ろすと同時に、少し感動しました。 あとで聞いた話ですが、保護者の心配の声を受け取った幼稚園では、スタッフ全員でその先生のサポートを始めたそうです。そして、その支援に先生自身が誠実に、懸命に応えていかれたそうです。新任の先生に抱く不安は確かにあります。でも、そのときは、どうか一人で思い悩まず、主任や園長先生にご自身の気持ちをお話しください。そして新任の先生ならではの保育に対するひたむきな熱意もくみとってあげてほしいと思います。 |
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