幼児教育実践学会
第16回幼児教育実践学会 ポスター発表(研究者)企画趣旨概要一覧
2025年8月20日(水)13:00~15:30
- ①新居直美(東京立正短期大学専任講師)
- テーマ:2歳児の『他者』意識の芽生え―保育者エピソードに基づく領域分類から―
本研究では、2歳児の社会性への芽生えを、絵本の読み聞かせという他者と絵本を見る場における保育者の観察から検討する。保育者の交流体験エピソードを、「人間関係」「言葉」に分類した結果、2歳児においても他者を意識し、模倣しながら、個から他者へ視点取得が確認された。2歳児は、言語発達による自我と共に、社会性の芽生えを確認できる時期であり、早期化する幼稚園教育での理解が必要である。
- ②高橋健介(東洋大学准教授)
- テーマ:遊び込むや探究に向けた保育・幼児教育②―多様性を重視した探究の実現に向けて―
日本の保育・幼児教育においても探究に向けた実践が重視されようとしている。その一方で、探究的な実践の多くは、保育者によって提案された活動であったり、クラス全体で取り組む活動であったりする。多様性が重視されているとは言い難い。子どもの多様な探究が実現するためには、それぞれの興味・関心からある程度自立して遊び込み、そのうえで探究に向かっていくプロセスが必要と考える。
- ③桐岡亜由美(山陽学園短期大学准教授)
- テーマ:タブレットを活用した年長クラスの保育実践
本発表では、年長クラスの自由遊びの時間に導入したタブレットの実践例について紹介する。子どもたちが動画機能を活用して、作りたいモノや知りたいコトを自ら進んで検索する様子や、コマ撮りアプリの使用事例から、タブレットの多様な使い方について考察し、ICT端末が幼児の遊びの広がりをもたらすことを明らかにする。加えて、担任保育者が想定していなかった活用事例も挙げ、タブレット活用の課題や展望についても検討する。
- ④石川徹(高崎健康福祉大学助教)
- テーマ:「夕方時間帯の保育」におけるお迎え場面ではどんな関わりが生まれているのか―保育場面の分析を通して―
本研究における「夕方時間帯の保育」とは、園における通常時間帯の保育が終了してから行われる保育のことである。この時間帯の保育において特徴となる出来事の1つにお迎えという事象があり、本研究ではこの事象が起こった際における子ども、保育者、保護者の間でどのような関わりが生じているのかに着目した。この関わりについての特徴を明らかにすることで、現代の「夕方時間帯の保育」に求められることについて検討をしていく。